必要最低限のモノしか所有せず
シンプルに暮らす、という意味で
タイニーハウスやモバイルハウスがじわじわと
注目を集めていますが、オーストラリアでは
その広大な土地を移動する手段として、車が一般的。

もちろん必要に応じて飛行機も使いますが、
例えばシドニーからバイロンベイの1000キロ弱を
普通に運転する人も少なくないし、「ラウンド」と
称して、オーストラリア大陸を一周するために
車を家として旅する人たちも珍しくありません。

そんな人たちのライフスタイルをピックアップし、つなげる
プラットフォーム、コミュニティサイトがVANLIFE.
友人のジョニーが発起人の一人として
2年ぐらい前に立ち上げて以来、その動向は
ますます注目を集めています。

そして、オンライン上のコンテンツ発信だけでなく
オフラインでのコミュニティづくりを目指す上で
定期的に開催しているのがギャザリング。
第1回目のギャザリングとおにぎりワークショップの様子

今回は、バイロンベイから南へ400キロくだった
先住民たちの聖地ベルブルックにて開催された
ブッシュキャンプイベントにTHE GRASSY BOWLのオリビアと
一緒に出張ケータリングしてきました!

未舗装のデコボコ山道、民家も人っ子一人いない、
ガス欠になりそうな冷や汗かきながら、4時間走りづつけ、
たどり着いた場所は大自然の息吹を感じ、大地のエネルギーをパワフルに感じる
先住民アボリジニたちが守り続けてきた聖なる場所。

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シドニー大学の学生チームが取材にも来てくれて
イベントの様子、そもそもバンライフを始めた個々の
想いやビジョンなどをインタビューした様子が素敵な映像
に仕上がっています。

キャンプといってもトイレや水場、キッチンが完備されたキャンプ場
ではなく、ブッシュキャンプ。おまけに近くの町までは悪路を
1時間半以上。よって物資、水、などはすべて持ち込み、持参の
サバイルバルキャンプといってもいいかもしれません。

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もちろん、トイレも大自然の中で(笑)
大自然の川がシャワーがわり。

今回は、Thungutti の先住民の方々、アボリジニたちとのつながりや
アボリジニ文化の普及や継承を啓蒙する非営利団体YARN Australia 、
Sixty Thousandの協力を得て開催。

先住民のおじい、おばあたちが温かいランチも
用意して歓迎してくれました。

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pic by @haydenseyes haydenwarner1@me.com

私もまだまだ勉強不足ですが、オーストラリアのアボリジニー文化は、
地球上で最も古い歴史を持つ現存する文化であると言われています。

オーストラリア大陸における考古学調査によると、アボリジニーは少なくとも
4万年以上前からオーストラリアに存在していたと言われています。

アボリジニー文化の特徴は、’自然との調和’です。
アボリジニーたちの信念は、岩々、渓谷、川、滝、海、太陽、月、
星、動物たちにそれぞれの創造ストリーがあり、また相互に深く関与して
この世に成り立っているということです。

調和された自然環境の中に暮らす人間。
季節とともに遊牧し、気候条件の激しい過酷なオーストラリアの大自然の中で
生きてゆく術を培ってきたアボリジニたち。

しかし、18世紀後半に始まったヨーロッパ諸国の侵略により、
アボリジニーへの迫害が始まり、多くの部族が疫病の罪で虐殺されたり、
土地を追い出され、大量虐殺が行われました。

1901年にオーストラリアの独立が宣言された後にも、
アボリジニーの人々は新しい国家に対し市民権をもてず、
1902年のオーストラリア憲法では国民になることを禁止されました。
彼らに市民権が与えられたのは、国際投票が行われた1967年。

まさに私たちがこうして集ったこの土地で、その昔、部族が人間狩りにあい、
たくさんの尊い命が亡くなり、その時の様子をひいおじいちゃんから語り継がれ、
語ってくれたおばあの言葉に、なんとも言えない気持ちになりました。

そんな辛く悲しい過去を背負い、そしていまもなお差別を受けづつけている
現状にありながら

「辛いことも悲しいこともあったけど、楽しいこともたくさんあったし
こうして、みなさんがこの土地へやってきて私たちの文化や伝統、価値観を
共有し、広めてくれることに感謝しています」

といって、あたたかく迎え入れてくれた
彼らの優しさにはほんとうに頭が下がる想いでした。

直にふれあい、直に話を聞き、同じ時間と体験を共有することができたことは
とても貴重な経験となりました。

今回のイベントに誘われなければ、きっと一生行くこともなかった場所で、
おばあたちの話を聞くこともなかったでしょう。

全ての出会いは必然。
全ては起こるべくして起こること。

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ひとつひとつの出会いを大切に。
オーストラリアは広い。
世界も広い。

まだまだ見ぬ土地、知らないことがたくさんある。
次なる目的地はどこだろう。