世界で猛威を振るう、新型コロナウィルス。

オーストラリア全土で一番感染者数の多いニューサウスウェールズ州もステージ3のロックダウンに
3月23日から入った。

オーストラリア政府は、イタリアやスペインの二の舞にならないよう、
テストを積極的に実施し、先進国の中では一番の実施率だそう。

4月5日午前6時の情報は下記の通り。州ごとの感染者数です。

下のグラフは年齢ごとの感染者数。20代が多いのが特徴的。

時系列で見る感染者数増加傾向。棒グラフが新規ケース、折れ線が積算感染者数。

 

感染した国別グラフ。クルーズ船とヨーロッパが多い。それも納得。

3月19日には、クルーズ船ルービープリンセス号がシドニーに帰港し、下船を許可された
2700人が各方面へ散った。乗客の中にはコロナの症状を抱えた人もいたというのに。
結果、620人が陽性反応を示し(全感染者数の10%を占める)
これまでに10名の方が亡くなる、という悲惨なケースとなった。
現在、犯罪ケースとして警視庁が調査中だとか。

また、4月1日付の情報によると、バイロンベイがあるノーザンリバーズ地域の
分布は、

海外で感染 36名
感染者とのコンタクト(またはそのクラスターに属す) 2名
感染経緯不明 2名
調査中 2名
合計 42名

聞いたところでは、バイロンベイの感染者数は、そのうち11名だとか。

必要不可欠なサービス、ビジネス、お店以外の営業停止(無期限)に加え、
対人間距離(ソーシャルディスタンス)を1.5メートル以上あけなければならないと法令違反となり、
おまけに、最初は10人以上の集まりは禁止とされていたものが、ついには2人以上(家族以外)の
集まりは禁止となった。

食料品・生活用品の買い出し、制限内の外で運動、医療看護、学校や仕事など以外の
正当な理由がない限りの外出は原則禁止とされている。

また、海外から帰国した人は、14日間、自己隔離が義務付けられ、
法令違反となった場合の罰金は以下の通り。

<自己隔離要請を無視した場合の罰則を設定>

TAS州:最大A$8400罰金
NSW州:最大A$11000罰金、 懲役6ヵ月
SA州:最大A$25000罰金
WA州:最大A$50000罰金、懲役12ヵ月
QLD州:A$最大$11345

3月25日には、お隣クイーンズランド州が州境を閉鎖したり、
日本への国際線も相次ぎキャンセル、そのうち全て運休となる見越しのため
急遽、やむをえず、泣く泣く日本へ帰国することとなったワーホリや学生の
日本人の方も多い。

日常生活に欠かせない、食料品店や薬局、ガソリンスタンド、郵便局などは
通常通り営業しているものの、ソーシャルディスタンス1.5メートル以上の
規則で、一度に入店できる人数を区切り、また、❌印などを床に明記して
人々に感覚をあけるよう注意を喚起している。

少し前には消毒液がどこも品切れだったけど、少しずつ品が戻ってきて、
お店の前に消毒液を設置しているところも多い。

テイクアウトする際も、店内に入れる人数は2名まで、外で待機、と注意書きしているお店がほとんど。

一時は、米や缶詰、保存食、トイレットペーパー(笑)もスーパーの棚から
消えるパニック買いがあったけど、いまでは普通に戻ってきている。
日夜フル稼働で、安定して、安心できる食料の供給をしてくれている
スーパーの店員、業者、配送会社のみなさんのおかげです。

でも、こんな時こそ、自給自足できる畑があったらなあ、と
強く思う。コロナが蔓延する前、つい数週間前に参加した
ガーデンフードワークショップのことを思い出す。

思い描いていても、実際は、疑問を抱いていながらも、
社会のシステムの一部であり、依存せざるを得ない自分が
いることも、いつももどかしい。

できるだけ、ファーマーズマーケットで食料は買うようにしているし
その他の食材も地元の小さな商店で事足りる場合は、
彼らのようなローカルビジネスを応援したい。

そんな中、タイムリーで、友人の小野寺愛ちゃんが投稿してた、この映画。
早速見てみよう。(以下、愛ちゃんの投稿より抜粋)

<都市を耕す〜エディブル・シティー』、無料公開!>

「空き地で、食べ物を作れるんじゃない?」
アメリカ西海岸のベイエリアで経済格差が広がる中、安全で新鮮な食べ物を手に入れることが
難しくなってきた都市部に住む一部の人たちが、ほんの思いつきで始めたこと。
それが共感を呼び、いま、世界に大きなうねりを生んでいます。

「食が重要視されないなら、市民がその大切さを訴えるだけ」
「社会の問題は山積みだけど、食ならみんなの力で変えられる」
(映画 「都市を耕す エディブル・シティー」より)

そんな「エディブルシティ」が、なんと…
新コロナウィルスの影響で外出自粛中、
期間限定の<無料公開>はじまりましたー!!!

アメリカで広がりを見せている都市農園、コミュニティーガーデン、
エディブル・エデュケーション(栽培から食卓まで全体をいのちの教育として位置づける食育)。

今回の都市閉鎖で脆弱さが露わになった都会生活に、
食と農のつながりを取り戻すことで広がる希望を感じさせてくれます。

新鮮な野菜のありがたさは、
失われてから気づくのでは遅い。
安全な水と空気と食べもの、そして、繋がりがある「日常」がいちばんだと
世界中で感じている今、あらためて観たい作品です。



<映画について>
2014年/米国/56分
英語・日本語字幕
原題:Edible City
監督:アンドリュー・ハッセ
制作:イーストベイピクチャーズ
公式サイト:http://www.ediblecitythemovie.com
日本語字幕版予告編:https://www.youtube.com/watch?v=LAatVLz_mac
日本語版配給:https://m.facebook.com/EdibleMedia/

逆境は、ポジティブに捉えれば、チャンスでもある。

バイロンベイのカフェやレストランに関しては、テイクアウトはできるようになっていて
(つまり、店内に人が滞留しないように)、各店舗は、ビジネスモデルを変更して
なんとか営業を切り盛りしている。

幸い、私が働くBAYLEAF は以前からテイクアウトセクションはあったし、
メニューを拡大したり、ホームデリバリーやディナーメニューなども展開して、
なんとか必死に頑張っている。

採算があわないし、スタッフやお客様の健康を守るために、
いっそのことお店を閉めるところもあれば、
うちみたいに、なんとかできる範囲で、できることをやって、日々、暗中模索な感じ。
先の見えない未来はとっても不安です。

私は収入が半分以下となったものの、幸いにもお仕事を少しもらえているので
なんとかやりくりしています。

いまのところヨーロッパのように、完全ロックダウンではないので、
運動のために外出はできるし、サーフィンも節度とルールを守れば
通常通りにできている。

それでも、感染拡大防止のために、STAY HOME (自宅待機)を率先して
行う人がぐっと増えたように思う。ちなみに意味もなく外で溜まっていたりすると、
罰金対象となり、実際、ビーチで日焼けしていた友達の友達、女の子2人が
その場で各1400ドルの罰金を命じられました。

個人的には、数ヶ月前に肺炎から回復した彼のお義母さんのこともあって、
コロナウィルスは他人事ではない

自分が感染したとしても、おそらく
死ぬことはないけど、彼女に移したら、それは間違いなく『死」に直結する

お義母さんはシドニーに住んでいるので、去年の11月に彼女が入院したのを
機に、彼はシドニーに戻り、以来、ずっと看病している。
病院とリハビリ6週間を経て、いまは自宅で療養中で元気だけども、
彼にとっては、神経がすり減る毎日。

彼女のために、食料を買いにスーパーに出かけたら、
極力人と接触しない、必要以上にものに触らない、
外を出歩いた靴は、地下のガレージに置いておき、
ショッピングバッグも入れ替えてから
家に上がって、すぐ手をゴシゴシ洗う、という徹底ぶり。

どこに、いつ、ウィルスが潜んでいるかわからない
まさに、映画のような話だけど、これが彼が住む現実の世界。

(おまけに遠距離恋愛は、このご時世、一際寂しい〜。)

オーストラリアのICUベッドの数は以下の通り。
お義母さんのように免疫力の弱い高齢者だけでなく
健康な若者だって、重度症状の患者になって感染が拡大したら、
と思うと、自分一人の行動が社会に影響を与える責任を感じられずにはいられない。

もちろん、ずっと恐怖に怯え、全てのことに神経質になってたら
たまらないけど、不安は消えない。

ウィルスにかからなかったとしても、メンタルがやられ始めている方も多い。
外出規制で自由がなく、子どもがいればホームスクーリングもあったり、
普段、イベントや飲み会、ディナーなど、ソーシャルなことが好きで
忙しい人にとっては、そうした自由がなくなることで、一気に
孤独になり、気分が滅入る人も多い。おまけに、仕事もない、
お金もなくなっていく、となれば、一層、不安。

来週末に迫ったイースターホリデーの連休中は、例年、10万人以上が国内外から
集結する野外音楽フェス、BLUES FESTIVALが開催され、そのほか、観光客も
どっと押し寄せ、普段の人口3万人の街に、おそらく5日間の連休中、
のべ20万人程度の人がやってくる。
どこもかしこも大繁盛、クリスマス年末年始に匹敵するぐらいめちゃくちゃ忙しい。

もちろん、フェスは中止となったけども、イースターホリデーで
変わらずに多くの人がやってきたら、あっという間にバイロンもホットスポットに
なりうる可能性大。

バイロンベイ近郊の大型病院2つ(リズモアホスポタルとツイードホスピタル)
あわせても、ICUベッドの数は20台程度

感染者が増加し、重症の方が増えたら、最悪の事態になることは想像しやすい。
町長は、そんな状況を危惧して、同州内のシドニーからの長距離バスの運行を阻止し、
バイロンベイへの外部からの侵入をミニマムに防ごうとしている。

こちらのウェブサイトでは国ごとの人数がライブで更新されています。
オーストラリアはなかなか頑張っています。

日本も、報告されている発症件数は少ないけども、実際のところどうなんでしょうか。
東京での感染者数は、増えているけども、ニューヨークのようにならないことを
願います。

医療現場の最前線でコロナと戦っているお医者さん、看護師、現場のみなさんに
感謝と敬意を示すとともに、医療のパンクを避けるために、どうかみなさんも
なるべく自宅待機しましょう。

ちなみに、以下は、友人のFACEBOOKの投稿でみた
イタリア在住の日本人の方からです。

イタリアではしばらく前からすでにこのパンクの状態になっています。
パンクの状態、とは、誰を助け、誰を見捨てるかを選ばなければいけない状態、です。
イタリアでは高齢者を見送り、若い人を助ける措置を続けています。
老人ホームなどでの感染が疑われても、病院に運び込むことすらしないのだと知りました。
運び込む病院がない。
運んでも助ける医療設備がすでにない。
だから他の住民を感染させてしまうのがわかっていても、そのまま老人ホームに残すしかないという状況なのです。
そして誰しもが予想できた結果なのに、そのまま救命措置なしに、集団で亡くなっていく状況なのです。
患者の目を見ることができない、目を伏して、ただただすべきことを実行している毎日だとイタリア医療関係者が労働状況を訴えています。

ロックダウン処置をする理由は、これをなんとしてでも避けないといけないからです。
なんとしてでもその波が来るのを遅くし、ベッド数を増やす処理をすること(例:軍の簡易施設)、波を小さくするためにとにかく感染者を減らすこと。私やあなたが感染するのを防ぐのではなくて、私やあなたみたいな、かかってもおそらく死なないだろうが、そこらじゅうにウイルスを撒いてしまう人を減らすことなのです。

他人事ととらえず、自分ごととして、しっかり気にとめておきたい。

政府の対応も各国ごとに異なり、
オーストラリアは、日々、経済支援策を発表していて、
その大胆さとスピーディーさには感心する。

職を失った人は、センターリンク(日本でいうハローワーク)の
Job Seeker に登録すれば、2週間ごとに$550が支給されるインカムサポートが
発表され、さらには、売り上げた昨年同月比35%以上下がったビジネスは、
スタッフ1人あたり2週間で一律1,500ドルが支給されるというJob Keeper Payment
が発表されました。

この2つの支援策については、こちらの記事が詳しく書いてあるので
ご参考にどうぞ。

ただ、いずれも、オーストラリア国民、永住権保持者のみが対象。
したがって、私のようなパートナービザ(現在ブリッジングビザ)申請中で
永住権をもっていない外国人、私はいまのところ対象外

もちろん、もともと飲食業などで生活費を稼いでいて路頭に迷う学生や
国外出国ができないワーホリの人だって、対象外。

でも、オーストラリアは移民大国。
こうした人たちへの支援策が早急に発表されることを祈ります。

また、収入がないから家賃が払えない人のために、
家賃の減額、はたまた延納措置が取られたり(景気が回復したらもちろん未納分は支払う約束)、
社会全体、コミュニティでお互い助け合う意識と光景が芽生え始めています。

ソーシャルディスタンスはとっているものの、
これまで以上に人の気持ちや状態に気をかけたり、
できるだけの優しさをみんなが振舞ったり、
なんだか社会が浄化されているように思う。

町はいつになく静かだし、
騒音も
ゴミも少ない。

主要ビーチの駐車場も閉鎖。
ビーチでゴロゴロ、なんて、もうできません。

でも、少なくとも、地球はこの浄化のプロセスを喜んでいる気がする。

そして、私たちも、内にこもって、いままでの暮らしのあり方、
社会のあり方、価値観のあり方、全てを、根底から見つめ直すいい機会。

生きることの根源的な意味を、生きることの本質的な目的を、みんなが問いただすいい機会。

ずっと走りつづけてきた競争とプレッシャーとストレスの世界から
やっと、ゆっくり、スローダウンすることを強制されたみたい。

私が住む森の小さなキャラバンは、以前とまったく変わらずに平和で美しく、
汚染も騒音も何もない、ここ以上に安全で安心な場所はない。
そんな安らかなセーフティーネットがあることに改めて感謝する。

贅沢な話、時間がたっぷりとあるこの新しいリズムにも少しずつ慣れてきて、
ヨガはオープン以来5年間通っているスタジオが閉鎖されいるからオンラインに切り替わって
自分の好きな時間に毎日レッスンができるようになったし、
ヨガ以外に1日一回はちゃんと運動しようと、波がよければサーフィン行ったり、
ビーチウォークしたり。

オンラインの講座にも登録したので、興味あるテーマや学問についてちょっと知識をつけようかなと思ったり、
新しいレシピを作ってみたり、できるだけ、クリエイティブに、アクティブに動くようにしています。

ちなみに、サーフィンに行ったとしても、海入って、あがったらすぐ帰る
というような行動モラルが問われています。海の中でも、ソーシャルディスタンス取っていないために
罰金取られた、という話も聞くので、まだサーフィンができるだけでも救い。

  

それにしても、オーストラリアでは年末の大規模森林火災にはじまり、
バイロンでは未曾有の豪雨、洪水に見舞われ、
やっと落ち着いて平穏な日常が戻ってきたと思った矢先のコロナウィルス。

東日本大震災の時もそうだったけど、
当たり前のことなんて、何もない。

全てが愛おしくて、貴重で、大切なことばかり。

コロナによってうまれた新しい種のストレスやプレッシャーはたくさんあるけども、
体が健康で、まだ食べるものがあって、新鮮な空気と水があって、
それだけでも、幸せだと思える。

当たり前のことだけど、こうした非常事態には、そうした当たり前のことの
ありがたみが、さらにありがたく感じる。

最低向こう3ヶ月は続くと思われるこの規制。
その先の未来はどうなっているのか。

コロナによって、大きく変わる世界、変わった世界。
そして、人々のあり方、考え方。

これはまだ序章だよ、と多くの人がいう。
本当の勝負はここからかもしれない。

いま、できることは何か。
この与えられた時間を有意義に、どう過ごしていくか。
どんなメンタルで乗り越えるられるかが、今後の鍵を握っていくように思う。

なんにせよ、私は元気でやっています。

みなさんも、どうか、体に気をつけて。