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photos by Chrystal Dawn

大好きで居心地のよい日本を離れて、あえてバイロンベイで
BLANCO を起業したのは、自分に正直に、
自分のパッションと夢をカタチにするために。

もちろん、その道のりは決して楽じゃなく、まだまだ自分が思い描くライフスタイルには
ほど遠いけど、こうして異国の地で、ゆっくりと焦らず、
人生という名の長い道をいまいちど見つめなおし、
自分の足で歩き、手で紡いでつくっていけることのありがたさ、
周りの人の温かさに改めて感謝しています。

とは言いながら、私の人生には刺激や出会い、学びとインスピレーションが常に必要、
という欲張りなやつです。

だから旅するように暮らし、働き、新しい価値観に出会い、
サーフィンや自然の中で浄化されることが非日常なスペシャルな出来事じゃなくて、
日常の中にあってほしい。

そして気がついたのは、いつもそんな旅先や出会い、つながり、発見の間にあるのは
美味しいごはん。

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美味しい食事を囲めば人は自然と笑顔になるし、会話も弾むし、楽しい豊かな時間が流れる。

食べることは生きること、生きることは食べること
毎日のことだから、ちゃんと丁寧に向き合いたい。

そう思って、自分で小さいなケータリング
HIROMIX KITCHEN を初めてみたり、バイロンベイへの移住をきっかけに調理師学校に通いはじめたり

別にプロの料理人を目指したいわけじゃなくて
料理は自分なりのクリエイティビティを発揮して
人と人をつなげるツールだと思うんです。

実際、パプアニューギニアのサーフキャンプで5週間シェフとして働いた経験からそれは実現したのだけど、
旅をしながら、その国の料理を学びながら
サーフィンしながら、その様子を写真や映像に収め、人々と交流して、
いつか旅とレシピ本が出せたら、なんて妄想していたわけですが、
その夢に近づくような素敵なご縁がまたまたありました。

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先日ケータリングを担当したこちらのイベントで私がつくったフードを
目にした一人の女性(オリビア)からラブコール?
を受けて、彼女が新しく立ち上げた
キッチンカーのビジネスを手伝うことになりました。

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1972年モデルのウォルクスワーゲンコンビを改装し、シンクや冷蔵庫、小さな調理スペースを
設けた移動式ケータリング@The Grassy Bowl

若干23歳で自分でビジネスを立ち上げたものの、オリビアも一人で全てをやること
(やろうとすること)の限界を感じ、そこに私が現れ、すぐに意気投合し
出会いから1ヶ月半で準備した開店イベントはバイロンベイの3大野外フェスのうちのひとつ、
SPLENDOUR IN THE GRASS

もっとも、私は料理のアドバイスやイベント備を手伝っただけで、95%の面倒な手続きなどは
オリビアが一人でやってのけたのだからリスペクトですね。

彼女のコミットメントとビジネスとしてのポテンシャルもさることながら、もっとも共感したのは、
ビジネスではあるけれど利益の追求を至上命題とするのではなくて(車の購入費とその改造費、
保健所や行政への各種手続きにだいぶお金がかかったと思うからその回収は必要だけど)
自分のアイデンティティの一環としてライフワークとしていきたいこと。
これは、私たちがBLANCO のビジョンとして掲げていることに共通しています。

趣味程度の道楽と言われればそれまでだけど、自分のパッションや夢をカタチに、
それを仕事に、しかもずっと、どこでもできるようなライフワークにできたら
最高ではないでしょうか。少なくとも、私はそういう人生を自分でクリエイトしたいから
ここにいて、そういう同志たちと何かを創りあげていきたいと思っています。

さて、SPLENDOUR IN THE GRASS。
オーストラリア版フジロクフェスといわれるこの野外音楽フェスは、
2001年からはじまりちょうどフジロックと同じ7月の週末に開催されました。

バイロンベイから北へ30kmのノースバイロンパークランドにて
オーストラリア国内外からアーティストを招聘し3日間にわたり、
4つのステージでライブが披露されます。オフィシャル発表では32500人の観客とありましたが、
実際はもっといたような感じです。。。

ライブのハイライトは、ザ・キュアー (The Cure、1978年に結成されたイングランド・クローリー出身
の伝説ロックバンド) イギリス出身のJames Blake, アイスランド出身のシガーロス、
最終日の大トリは、オーストラリアで爆発的人気のプロデューサー、FLUME。

個人的にヒットだったのは、ビヨークを思わせる抜群の歌唱力とライブでの迫力が圧巻だった
オーストラリアのMontaigne .

日本のフェスから比べれば3万人なんて小さな規模ですが、バイロンベイの総人口(市街地も含めて)が
3万人なのでこの時期は人口が倍になると想像すると、けっこう混雑します。

キャンプインもできるので遠方からもたくさんやってきます。

ライブエリア以外は、飲食ブースやアパレル、クラフトのブースが立ち並び、
さまざまなワークショップも開催されています。

自然いっぱいの公園(というか湿地帯)で開催されるため木陰もたくさんあり、のびのびしていますが、
今年は3日間晴天に恵まれ、真冬だというのに最高気温30度を超え、日射病になるところでした。
ちなみに、去年は雨でドロドロ、長靴必須だったようです。

オリビアの旧友たちもシドニーから駆けつけてくれてみんなでブースづくり。
なんせ、これが初出店、フードやドリンクを提供するのも初めてということで
いろんなことが手探りで、数々のドラマがありましたが、
仕事の合間にライブも観れて、いい出会いもあり
1日数時間の睡眠と疲労を乗り越え、なんとかやりきりました。

サーブしたのは、バイロンベイのオリジナルブレンドのコンブ茶
(日本でも一時期流行った発酵系飲料の紅茶キノコ)やアイスコーヒー、
フードはキャンプインの朝食客をターゲットに胃に優しいそば粉のポリッジ(おかゆのようなもの)
やバナナブレッドなど。

材料はすべてオーガニックでバイロン産。
容器や入れ物はコンポストできるもののみ。
使うもの全て環境に優しく、地産地消、アンチ使い捨てプラスチックな
コンセプトも素敵でしょ。

今後は、地元のマーケットやサーフィンの大会や環境系のイベント、映画上映会、ウェディング、
プライベートパーティーに出店したり、ゆくゆくは海沿いをロードトリップしながら
旅しながらサーフィンして、いく先々で地元のコミュニティとコラボしたポップアップイベントなど
が企画できたらと思っています。

旅と、サーフィンと、美味しくて体に優しいもの。
大好きなものがぎゅっとつまった@The Grassy Bowl
さあ、どんな出会いが待っているのか。
これから楽しみです。

<後日談>
お祭りが終わってほっと一息。
私とオリビアを結びつけてくれた前述のイベントのオーガナイザー、クリスタルの協力を得て、
一緒にバンの撮影を行いました。

photo by @chrystal dawn