一年はあっという間。
今年もやってきました。

サーフライダーファウンデーション国際会議。
今年は、南仏ビアリッツとスペインのサンセバスチャンにて開催!
*去年のレポートはこちら


昨年は鴨川にて主催

というわけで、小学校六年生にロンドンから帰国して以来の
20年ぶりのヨーロッパへいってきました。

会議は、10月20日〜26日。
前半は毎年恒例のサーフライダー国際会議、後半は、Global Wave Conference という
環境NGOが集った一般公開シンポジウムという構成で、
光栄なことにスピーカーの一人として選出頂き、
プレゼンしてきました。

会場となったビアリッツの街は、とにかく美しい。

ホテルの目の前のビーチ。
サイズは腰ぐらいでしたが、メローで優しく
みんなで一緒に海に入るだけで楽しさ100倍。

日の出が8時過ぎなので朝は入水できず、真っ暗な
うちから会議室に入って、夜は8時頃まで明るいので
夕方セッションというパターンでした。今回も
ボードは持参せず、現地スタッフからレンタル。


朝8時でこれぐらいの明るさ

サーフライダー国際会議のアジェンダとしては、
各支部の活動報告や、注力しているキャンペーンの紹介、
ベストプラクティスの共有などが行われました。

今年の参加国は、日本、アメリカ、フランス、スペイン、
ブラジル、アルゼンチン、オランダ、ベルギー、ドイツ、
モロッコ、スウェーデン、サルディニア島、オーストラリア
フランス領グアダループ島、ブルガリア、とまさにインターナショナル!
総勢100名弱が集結。いろんな言語が飛び交い、サーフライダーの
グローバルパワーを肌でかんじました。

毎日会場もかわり、さすが美意識の高い主催国フランス。
ビアリッツ市の助成金をうけて、どこも
センスのいい会場ばかり。


こちらはビアリッツ(フランス)の会場

ビアリッツから車で1時間、国境を越えてスペインのサンセバスチャン
の会場は水族館内のシアターにて。

ヨーロッパで開催されて感じたことは、SFヨーロッパの活動規模が
想像以上に大きく、またそれをこなすスタッフの層の厚さと若さと女性率の
高さにびっくり。EUには、実に43つの支部があり、会員数は1万人。


ビアリッツ本部オフィス。30名強のスタッフが働いています

考えてみれば、陸続きのヨーロッパだけど、それぞれの国で言語も異なれば
文化、商習慣、法律まで違うとなれば、それをマネジメントするのは
容易ではありません。私の良き相棒、ヨーロッパCEOステファンが
超超多忙で、ストレスがつきないのも納得....


マネージャーポジションには大体女性を起用。左からマーケティングマネージャーのペネロペ、広報マネージャーのヨハンナ、研究所マネージャーのナタリー

また、SF本部のアメリカが真にグラスルーツ(ボトムアップ)的な
アクティビズム、市民運動が基盤となって各プログラム、キャンペーンが
展開され環境問題への意識を高めていくのに対し、フィランソロピーの
精神がアメリカほど発達していないヨーロッパでは、綿密な戦略を組み立てて、
行政や企業へアプローチして教育や自然保護という観点から啓蒙活動を
展開しています。

その一例としてフランスのオフィスには、「サーフライダーキャンパス」と
名付けられた子どもたちに学びの場があり、さまざまなツールや、ゲーム、
展示物をつかって、海の大切さ、水が循環する生態系の仕組み
などをわかりやすく解説しています。年間予算約3億円のうち
半分近くが教育関連に使われているというから、その力の
入れようが伝わってきます。子どもたちへの教育は、まさに
海岸環境を次世代に残していくというミッションに直結する
ことですから。


ゲームを使って川から海へゴミが流れる仕組みを解説

ヨーロッパの運営形態をみて、日本が目指すべき将来像は、
アメリカとヨーロッパの中間のようなイメージです。

いまでこそ、NPO/NGOやボランティアという言葉が
一般に浸透してきてはいるものの、まだまだ発展途上です。

パッションあるサーファーが中心となるような草の根的
啓蒙活動をもっともっと盛り上げて関心をもってくれる裾野を
広げるとともに、企業との良好なパートナーシップを積極的に築き
安定した運営資金の確保ということが急務です。

2007年よりボランティア/オブザーバーとして参加してきた
国際会議ですが、事務局長という専従スタッフになって参加した
ことで、日本の組織の実体/実情に照らし合わせて意見交換
を行う事ができ、まずは、日本でも通年で実施できる教育プログラムの
開発を目指してヨーロッパと連携をはかっていきたいと思っています。

毎年アジェンダの中には、ビーチでピクニック&みんなでサーフィン
という時間が組み込まれているのもサーフライダーならでは。

会議中、白熱した議論をして、大真面目に話をしていると思っても、
波乗りとなれば一変し、みんな無邪気。


イギリスからやってきた、Surfers Against Sewage という環境NGO代表のヒューゴ

波がよければ昼休みに食べる間を惜しんで海へ!


USからのチャッドとリック

私もサンセバスチャンにて、アタマ半オーバーのエクセレントコンディション
のなかドキドキの数本をメイクしました。でも波のパワーがすごくて
まかれたときは本当に溺れそうでした。

そして、今回光栄なことに、各支部の功績をたたえるアワードパーティーにて
SFJが表彰されました!何故かっていうことは、次回のブログにて詳細
お伝えしますが、今回の会議参加の重要なミッションのひとつに、
3.11以降の日本の現状、海の状況を世界に伝えるというお役目があり、
Global Wave Conferenceにてその任務をなんとか?こなし、そのことに
敬意を評して、という理由からでした。

まったく予想外の出来事に、私の名前が呼ばれ、ステージにあげられたときは
それまでおそらく抑えていた感情などがどどーーっと溢れ、
もう何が何だか・・・100名以上の人の前で大号泣!嗚咽をあげて
恥じらいもなく泣いてしまいました・・。

泣くほどたいしたこともしていないのに
泣くほどまだ何もはじめていないのに
泣くほど(被災者に比べれば)辛い状況でもないのに
とてもとても恥ずかしくてたまりませんでした。


アワードのトロフィーは、地元アーティストによる手彫りの作品。みんなにメッセージも書いてもらったので、宝物のします

ただ、サーフライダーのみんなが暖かくサポートしてくれ
見守ってくれているということが感じられて
とっても幸せな気持ちになりました。
と同時に、これから自分が授かったタスクと
責任を全うしていくことの重要さを改めて身にしみて感じました。

具体的に、Global Wave Conference で何を伝えたのか、
ということはまた次回に。

おまけ
毎年、国際会議中に誕生日をむかえるステファン。
サプライズで祝ってあげました。
踊って踊って、深夜までパーティーは続いたのでした。