年商165億円。
会員数8万人強。

「農薬の危険性を100万回叫ぶよりも、1本の無農薬の大根を作り、運び、食べることから始めよう」。

そういって、いまから33年前の1975年、江東区のマンション広場に畑からとってきたばかりの土のついた野菜をリヤカーに乗せて青空市場で売り始めた。

株式会社大地を守る会

いわずと知れた有機農業、無農薬野菜の宅配パイオニアです。
昨年、ジョナサンバーンブルックとマエキタミヤコさんが大地を守る会のリブランディングを手掛け、ぐっとチャーミングになりました。

「無農薬で野菜なんか作れるわけがない。そんな野菜どこも買ってくれるはずがない」と
農家の反対にあいながらも、一件一件説得してまわり、一緒に安全な野菜づくりをしてくれる農家さんを増やしていった大地を守る会会長の藤田和芳さん。いつも穏やかで、ゆっくりとやさしい言葉をつかって話されるのだけど、その言葉にはものすごく重みがあって、いつも感動してしまいます。ちょうど先日、greenzがブランディングをお手伝いしている丸の内地球環境倶楽部にて、有機農業国家キューバを視察されたきた藤田さんの帰国報告会があって、とってもよかったのでその一部をシェアします。

国産の食品をまもり、日本の食糧自給率をあげることを大切にするだけじゃなく、大地を守る会は同時に、有機農業に取り組む世界中の農業者とつながっています。

世界における紛争で最も根が深いといわれるパレスチナ・イスラエル問題。戦争と農業。一見結びつかない2つのことですが、農業を守るということを通して平和な社会の実現に貢献しようとしているのが大地を守る会です。

「農道を持たないパレスチナのオーガニックオリーブ農業者は、自分の畑に行くたびにゲリラ兵と間違われ、銃撃される心配をしなくてはなりませんでした。自分の畑で安心して仕事ができないのです。せめて視界がクリアな農道さえあれば、という農業者の切実な願いをなんとか実現したいと思い、日本に帰国して会員に呼びかけました。すると1500人から1000円ずつ集まり、150万円で1.3kmの平和の農道「ダイチロード」を造ることができました。基金への参加と同時に、この畑から採れるパレスチナオリーブオイルを買っているんです。一粒で二度おいしい市民運動です。」

また、キューバの有機農業の実態、自給率については、いろんな意見があるようですが、現場を見てこられた藤田さんの言葉がぐっときました。

ハバナ市内に農業を教えてくれる農業相談店が非常に多かったのが印象的でした。中心部で52カ所、周辺も含めて450カ所もあるということです。そこに家庭菜園をやる人が大勢相談に行っていました。農家の収入は医者の2倍ということにも驚きました。キューバの医療制度は世界的にもすごくて、医療費無料、医学部の学費無料で165人に1人医者がいます。海外で災害が起きるとキューバから多くの医者が派遣されて、キューバの医者というのは人々から尊敬されている職業ですが、農家の方が医者より収入がいいというのが、農業の地位の高さを示していると思います。

キューバという国は人種差別が世界でも最も少ないという話を聞きました。街の治安もとてもいいし、白人、スパニッシュ、インディオの混血、黒人とか色んな人たちがいますが、私が見た限り差別は感じられませんでした。キューバは50年間経済封鎖をされ続けていてとても貧しい状況ですが、人種差別が世界一少ないとか、医療費が無料とか、農家の収入は医者の2倍とか、治安がよくて犯罪が少ないとか、そういうことを見るにつけて、カストロやチェ・ゲバラがやろうとしたことの意義を感じました。それは農業のあり方にもつながりますが、混植にしろ、人種にしろ、あらゆるところで多様性を認めていることです。あらゆるものを混在させて、多様性の中で生きていく社会の姿を見て、貧しさとは違う次元の豊かさを見たわけです。日本もキューバから学ぶべきことは多いと思いました。

日本の食料自給率が40%以下ということに私はすごく心を痛めています。ものすごい勢いで世界の人口が増えている中で、いずれ世界中で食料が不足するだろうと思っています。日本の農業の現実を見てみると、耕作地457万haのうち、耕作放棄地(何年も耕作していない土地)が39万ha、不作付地(たまたたその年に耕作が行われなかった土地)が20万haと、十数パーセントの耕地を遊ばせておきながら世界中から食べ物を買ってきています。後継者がいなくて技術が伝わらないとか、農業従事者の数が減っていくということも言われていて、日本の農業を何とかしなければいけないという想いを抱いています。日本の政府関係者も研究者も、有機農業では日本の人口を賄う食料自給なんてできないという人もいますが、キューバの現実を見て、国を挙げてやろうとすれば出来る、日本でも本気になってやれば出来るはずだ、と思っています。

藤田さんの話を聞いて、いっそのこと、農業などの第一次産業が新規雇用の受け皿になれば、日本の失業者問題も少しは解決するし、それが結果的に食料自給率の向上、農業の健全化につながり、誰もが安全・安心な食べものにアクセスできる、平和な社会の一歩になるんじゃないかと思った。

と思っていたら、農林水産省が「田舎で働き隊」 とう事業の募集を始めた!これは簡単にいうと、農村の活性化を目的として、農村と都市部等の人材をつなぐ仕組みをつくること。募集は2月16日までとのことです。新規就農者も増加傾向にあると最近のニュースでも話題のになっていたので、これを機に日本の農業が盛り上がりますように!

さらに。

オバマ新政権でバズワードとなっている「グリーンニューディール」
日本においても、地球温暖化対策と雇用創出を両立する「日本版グリーン・ニューディール構想」についての意見を広く国民から募集すると、環境省がウェブサイトを立ち上げました。詳しくは、greenzの記事をどうぞ。

でも。
この日本版グリーン・ニューディールはアメリカ同様(いやそれ以上かも・・)、再生可能エネルギーの開発、投資に焦点があてられていて、残念ながら農業などの第1次産業にはまったく言及されていません。個人的には、こういう経済危機と格差社会の時代だからこそ、外需頼みの構造を見直して、日本回帰。きちんと足元を見直して、最新の先端技術に目をやるばかりではなく、伝統技術や日本が得意としてきた「自然共生型」の産業に力をいれて、そこに雇用創出をして、国民の暮らしの向上と貧困率(ちゃんとした食事ができるような社会的システムとか)をあげる方が、結果的には、日本の長期安定化、経済の活性化につながると思うのですが。

最終的にめざすのは、成長のスピードとか、大きさではなくて、「成長の質」だと思う。すべての人が豊かで平和と思える社会、そんな風におもえる暮らしの実現。次の社会をどうデザインするのか、どんな未来を創りたいのか、そんなビジョンがかけている気がするんだけどな。

自分が消費する食べもの、エネルギーを自分でを生産 ⇒ 消費できる喜び、自由って、デファクトスタンダーになっている消費文化や資本主義経済の恩恵を知らず知らずに受けていた自分の価値観をがらっと変えてしまう。わたし自身、サラリーマン生活を辞めて、1ヶ月WWOOFERとしてオーストラリアで電気も水道も通っていない、100%自給自足のオーガニック農家、サステナブルコミュニティで生活をして、人生観がかわった。そこに暮らす人々は揺るぎない価値観をもっていて、ほんとうに幸せそうだった。多くを求めないし、多くを必要としていない。人生で本当に何が大切なのか、何を守って大切にしていかなきゃいけないのか、わかっている感じで強くたくましい人たちだった。便利でものにあり触れた世界に依存することなく、矛盾や無秩序だらけのっ世界に惑わされることなく、自分の「世界」を持っていた。そんな人たちに感化されまくって、この時、自分も将来こういう地に足の着いた暮らしをしよう!とおもったっけ。

だから、greenz villageでは、農業をベースに、まずは自分たちの足元の暮らしから平和な世界をつくっていくことを目指しそうrと思ってます。


オーストラリアで訪れた熱帯雨林のなかのおうち。電力は屋根に設置されたソーラーパネルから。水は雨水タンク利用。でも困ったことはないって!