最近インダストリアルエリアからバイロンベイの街に近い場所に
移動したコーワーキングスペース、THE CORNER PALMは、
ナットとダンの若いカップルが立ち上げたクリエイティブスペース。
会員になれば1日単位でデスクが借りられたりできて、
バイロンベイのフリーランス、クリエイターが働き、集い、
情報交換する場所としても人気です。
そんなオープンスペースでは、定期的にイベントや
ワークショップを開催していて、私も以前、カルチュラルクリエイティブのトークイベントに参加したり、常に面白いことを発信しています。
今回は、仕事の休みがうまくあったこともあって、2つのイベントに参加。
一つ目は、日本でいう「朝活」のような感じで、その名もBREAKFAST CLUB.
平日の朝、8時か9時半、テーマを設けて、2人のゲストによるトークイベント。
この日のテーマは、スピリット。
ゲストには、トラベルライターのニーナと、イランから亡命してきた
環境アクティビストのザラ。二人ともパワフルに、自分の人生をどう切り開いていくか、
夢を実現するためのアドバイス、自分が信条とすることをどう守り、貫いていくか
など、有益でインスパイアされる内容のトークでした。
参加者は満員の70名、ほとんどが女性で、
みんなのアントレプレナー意識の高さが伺えます。
2つ目のイベントは、ガーデンワークショップ。
パーマカルチャリストの友達のコービーが主催するワークショップで、
畑づくりだけじゃなく、野草や植物全般についてとっても豊富な知識を
もつ彼女の脳みそにあやかりたくて、参加。
9年前に取得したパーマカルチャーコースをここバイロンで取得したにも
かかわらず、それ以降、実際に実践する機会もなく、というか
それは恥ずかしいかな、単なる言い訳でしかなく、いきなり畑はできなくても、
できることからと思って、知識のブラッシュアップのために参加してきました。
まずは、一番の基本、誰もが家庭でできる、コンポストの作り方から。
ミミズを使った方法もあるし、使わずに、生ごみを腐らせずに、におわせずに、
分解させる、栄養のある土の作り方をレクチャー。
家庭で出る生ごみの堆肥化は誰もができる簡単な土づくり。
ポイントとしては、
なるべく細かく刻んでからコンポストに入れること。
水気はできるだけ切っておくこと。
コンポストの下や横など、通気性のために穴をあけておくこと。
また、堆肥化で重要なことは、炭素率(C/N比とも言い、炭素量と窒素量との比率)と
含水率です。炭素率は20~30程度で、生ごみを入れたあとに、籾殻やコーヒーを煎れたあとに
残る粉や、新聞紙などをいれて悪臭、腐敗を防ぐ共に、保水力を適度に保つそうです。
堆肥化で微生物を働かせるためには、水分と空気を適切に管理することが大切で、
水分は含水率で表示し、60%程度が適していますが、これは手で硬く握りしめて、
手に湿り気を感じるが指の間から水がでてこない程度です。
含水率は、高すぎると腐敗しますし、低すぎると微生物が活動できません。
つづいては、ガーデンベッド、家庭菜園の作り方、苗の植え方など。保水力を保持するためにさとうきびのマルチを利用。
一緒に植えると相性のいいコンパニオンプランツなども説明してくれます。
そして、ランチ休憩。コービーが自宅の庭からとってきた新鮮な葉っぱのサラダにファーマーズマーケットで仕入れた根菜のグリル、ローカルオーガニック玄米のプレートランチ。
お腹がいっぱいになって昼寝でもしたいところだけど、午後は、野草の説明。聞いたこともない、珍しい植物たちを紹介してくれました。これ、ほとんどコービーが自宅で栽培しているもの。これだけ豊富にあると、具合が優れないときにハーブや野草でレメディーをつくったり、煎じて飲みものをつくったり、まさに野草の自然療法。
食の問題がいろいろ議論される昨今、一番の理想は、自分で育てた野菜をいただき、そのゴミを堆肥化させて、また命の恵みをありがたくいただくというローカリゼーション、循環型ライフスタイル。
バイロンベイ在住の活動家、ヘレナノーバーグホッジさんも言っています。
ローカリゼーションこそ。人々の幸せの鍵がある。簡単に言ってしまえば、経済の成長とともに進行したグローバリゼーションこそが人々が幸せを感じられなくなった原因であり、ローカリゼーションが実現すれば人々は再び幸せを感じることができるようになるというのです。
そんな彼女の発案によりはじまったのも、毎週木曜に開催されるバイロンファーマーズマーケット。いまでは、日曜と月曜以外は、近郊の町どこかしらで毎週ファーマーズマーケットが開催されるほどに、市民に欠かせない台所となっています。
ヘレナさんの活動、そして、絶対見るべき映画「幸せの経済学」については、greenz.jpのこちらの記事をご参考にどうぞ。
誰にでもできる、小さな幸せな経済活動。それは巡り巡って、自分の周りの人々、コミュニティ、社会を、よりよく、より豊かに、より健康にしてくれることにつながる。
私は小さなプランターしかいまはないけど、早速、苗を植えて、ハーブを育てよう。