今回が3度目のバイロンベイとなる清さんは初めて会ったときから、
「いつか会社の社員を連れてきたい。バイロン、オーストラリアの食文化に触れさせたい」
と話してくれていた。

そして、有言実行、3名の社員を連れて、また遊びにきてくれた。
社員研修という名目で、初オーストラリアにやってきたのは
ベテランパン職人のたかさん、ひろさん、そしてレストランマネージャーのゆうたさん。
みなさん、清さんの会社エピエリで勤務されている方々。

今回の重要なミッションとしては、パン職人である彼らに、バイロンベイでパン作りを体験する、
という職業体験が盛り込まれていて、交渉の末、ハーベストカフェにお願いして、
2日間お邪魔してきました。最近、オーストラリアフード&トラベルガイドが選ぶレストランで、
1HATを再受賞して、また盛り上がっています。

パン職人の朝は、早い!
受け入れてくれたディエゴ(アルゼンチン出身)とホセ(ブラジル出身)は
深夜1時入り、からの8、9時間シフトを、忙しい時は週5連続で。

私たちは、朝4時入り。あたりはまだ真っ暗。
毎週末は、パン市が開かれ、朝7時半ごろから焼きたてのパンが並びます。
それを目当てにお客さんは7時過ぎから、ちらほら現れるので
スピーディーに作業が行われます。

私たちは、ディエゴとホセのサポートということで
1次発酵の済んだ生地を成型したり、窯入れしたり。粉量にして30キロ程度だったかな。
随時、私は通訳しますが、パン職人同士、通じるものはあるようで、言葉の壁を越えて
お互いのスペースやタイミング、タスクを観察しながら、黙々とパンをつくっていきます。

 

 

108年前からある大切に保存されてきた石窯に薪をくべて、
ひとつひとつ、愛情を込めて丁寧にパンをつくります。

この火入れ作業、温度管理、温度調整が一番難しく、でも一番ワクワクする、とディエゴは語っていました。100年以上もの間、きっと同じように、パンを作ってきた職人たちの想いを感じながら、その情熱の火が絶えないように。

ふわっと、カリッと、美味しそうなパンが続々と焼き上がり、店頭に並べられていきます。
この日は、外気(室温)が高すぎて、常温発酵が思うように進まかったそうですが、それでも
職人ならではの勘で調整していき、素人目にはわからない焼き上がり。

 

飲食業界勤務のみなさんは、もちろん、料理のクオリティのほか、サービスのあり方、プレゼンテーション、
スタッフ同士あるいはスタッフとお客さんとのコミュニケーションにも興味深々で、
日本とは異なるゆったりとした、自然体のサービスに新しい発見を得たようでした。

ホセ、ディエゴ、親切丁寧に、陽気に教えてくれてどうもありがとう!
今回の出会いをきっかけに、また彼らがオーストリアに戻ってきて修行したり
あるいは、バイロンの職人たちが日本に行って同じような体験できたら。
そんな、バイロンと日本の食文化の架け橋になれたらと思います。

 

 

今回も美味しいバイロンのグルメスポットを食べ尽くしたので、
特に美味しかったメニューたちをご紹介します。

ハーベストカフェには、ディナーで2回訪れましたが、
とっても美味しかったのが、毎月1回開催されているワイルドハーベストシェフシリーズ
これはゲストシェフを招いて、ハーベストカフェのヘッドシェフ、ブレットと
Foragerのピーターとメニューを開発します。

このForager、日本語では的確な訳が見つかりませんが、
森や海などに自生する在来種の食糧を採取するような人のことを意味していて、
できるだけその土地に古来から育つ食べ物、スパイス、ハーブなどをもう一度見直して、
料理に新しいアレンジを加えていく、というのが最近の食のトレンド。

この日のメニュー

私も好きなネイティブハーブ(スパイス)のストロベリーガム、ワトルシードも。

ピーターとブレットがひとつひとつのテーブルにやってきて料理の説明をしてくれます。ピーターが手にしているのは、この日使われた森と海の食材たち。

美味しい食事と豊かな時間をつくってくれた、ハーベストのスタッフに感謝!

続いては、バイロンとクーランガッタ空港のちょうど中間にあるカバリタビーチの、ペイパー&デイジー

これは、ほんとうに、美味しかった。
奇想天外の組み合わせ、盛り付け、プレゼンテーション、最高でした。
スタッフもサービスも雰囲気も、少し高級感と緊張感があって、バイロンとは
また違った空気感で、ちょっとかしこまって、おしゃれして行きたい場所ですね。

食いしん坊の私たちは、4コースメニューを選びました。

その他は、定番のDOMA CAFE , THE FARM 、FOLK へも。

合間にはサーフィンや観光、ショッピングもできてつかの間の休息をバイロンで満喫して頂けたのではないかな。

美味しいものは、言葉や国境を越えて、人を笑顔に、豊かにしてくれる。
美味しいものを求めて、人々がつながる。

そんな体験に立ち会えたこと、みんなの目がキラキラと輝くのを間近でみれたことが
何よりの喜びでした。

せいさん、たかさん、ひろさん、ゆうたさん、会いにきてくれてどうもありがとう!
日本でもまた美味しいパンと料理を作っていってくださいね。