バイロンベイは環境意識が高く、１９６０年代からラブ＆ピースを掲げて自然回帰を求め、
移り住んだヒッピーたち、サーファーたちなどがこの美しい自然を守り抜き、
プロテスターズフォールズで起こり得ようとしていた違法伐採の環境破壊を差し止めた
（故に、プロテスターズ＝抗議する者という名前がついた滝です）ことからオーストラリアの環境ムーブメントの
発祥の地とも言われています。
いまでも、町中の建物は３階建までと建築規制があり信号機が一台もなく、マクドナルドやスターバックスの
ようなグローバルチェーン店はありません。（残念ながらサブウェイやドミノピザはありますが）
美しい自然や景観は、いつの時代も、その土地を愛し、そこに根を下ろし、生活を営み、暮らしている人たち
によって守られてきたのだと思います。
しかし、何故か、不思議と、多くの国がそうですが、人々の暮らしを健全に、幸せに、豊かにするための
機能を果たす、いわば民の代表者としての行政や政治は、時として民とは違う考え、行動を示します。
私も日本で１０年以上、環境保護の仕事や業界に関わってきて、福島の事故以前から
官邸前デモや霞ヶ関まで誓願書や署名提出にも行きましたが、どうもお役所や官僚の人は
（さまざまな事情と利権があるのでしょうが）、経済的合理性や生産性、人間自己中心主義になりがちです。
ここバイロンベイも、一見ピースフルなように見えて、実は、いろいろな環境開発、破壊、
汚染問題の危機にさらされています。
長らくつづくコールシームガス（石炭層からメタンガスを発掘する事業）の環境問題は、
土地の養分や水源を汚染し、空気を汚染し,自然の生態系を変えてしまうと多くの住民がノー！
と言っているにもかかわらず、工事は見送りにはなっていますが、これも長期戦になるでしょう。
最近では、バイロンの街の西側に位置する住宅街ベロンジルビーチが海岸侵食に見舞われ、
既存の防波堤をさらに増長させる計画がありますが、これも先日のストームで破壊されてしまいました。
自然の猛威や巨大企業などが絡む大きな環境破壊問題を目の前にすると、正直人間としての無力さや
歯がゆさを感じます。
それでも、日々のアクションからできることはある！
ということで、ワールドオーシャンズデイ（世界海の日！）の翌日6月10日、BAN THE BAG レジ袋を廃止しよう！
という環境キャンペーンのキックオフに行ってきました。
場所は、メインビーチ。
時間は朝６時半集合！
BAN THE BAG は、バイロンの街全体が掲げる環境キャンペーン PLASTIC FREE BYRON BAY の
一環で、使い捨てのレジ袋を廃止し、エコバッグや代替品の推奨、環境に優しい製品の
開発と利用を啓蒙することが目的です。
地元環境保護団体やオーガニックスーパーのサントス、アウトドアアパレルのパタゴニアなどが
発起人になっています。
バイロンベイは確かに環境にやさしい街ですが、サステナビリティに関する行政の取り組みはまだまだ
発展途上です。
ようやく一般家庭の生ごみをコンポスト化する取り組みが始まったばかりだし（それまでは可燃ゴミと一緒）、
使い捨ての容器やレジ袋もありふれているし、チャリ愛好家が多いにもかかわらず
自転車専用レーンはほとんどないし。
でも、レジ袋の使用をやめることは自分の選択とアクションでできることです。
この日は、早朝６時半集合にもかかわらず多くの人がメインビーチに集まっていました。
主催は、SAVE THE MERMAID という活動名で
プラスチック撲滅を啓蒙している友人ケイト。
使い捨てのレジ袋や生分解性でないプラスチック容器や破片、などの人工的なゴミが街から川へ、
あるいは下水を通って、あるいは風で吹き飛ばされて、ゆくゆくは海にたどり着き、
それを食べ物と間違って食べてしまった鳥、魚たちの胃袋に詰まっている写真は
ご覧になったかたも多いかと思います。
オーストラリアでは、年間４０億枚のレジ袋が利用されているといわれ、そのうち５千万枚は
やがては海に流れ着くといわれています。
フランスやアメリカの一部、中国、南オーストラリアなど、すでにレジ袋を
廃止している場所と実績はたくさんあります。
環境に対するアクションやデモ、抗議などと聞くとどうしてもハードコアなものをイメージしますが、
バイロンスタイルはピースフルでフレンドリー。
誰でもウェルカムだし、女性や若い人が多いのも
親近感がわいて明るい印象を与えますよね。
行政やメディアに対してBAN THE BAG レジ袋を廃止しよう！
と訴えるキャンペーンは、今後２ヶ月さまざまイベントを通して展開されていきます。
リサイクルの布でつくるエコバッグのワークショップなどもあり、楽しみながら
環境について考えるいいきっかけとなりそうですね。
バイロンベイにお住まいの方は、まずはウェブサイトに登録すると
キャンペーン実施期間中はサントスでお買い物の際は、１５％オフとなります！
日々のアクション、消費行動の中でできるシンプルな暮らしのティップス、
ぜひプラスチック製品やレジ袋の利用を意識的に控えてみてはいかが？