日本を出発して1ヶ月が経ちました。
真夏のオーストラリアで元気にしてます。
ニュースで流れていた洪水やサイクロンの影響は幸い受けず
健康的な日々を過ごしています。

さて、この1ヶ月何をしていたかというと、バケーション&サーフィン三昧!
といいたいところですが、かなりハードな数週間でした。

まずバイロンベイに降り立ち、サーフライダーオーストラリアの友達から、
テント道具一式とサーフボードをちゃっかり借り、何はともあれ、入水。

wategoes のメローな波。

バイロンベイに1泊した後、Permaculture Design Certification(PDC)
Course受講のため、バイロンから1時間ほど山奥に入った
The Channon という小さな町にある Zaytuna Farm (Permaculture Research Institute )
にて研修&キャンプ生活をすること2週間。

最初の数日間は暴風雨で、テントに水が入ったり、夜は風がすごくてテントが揺れ、
大自然の洗礼をうけ、ワイルドでサバイバルな暮らしを体験。

テントスペースには、今年の秋までに宿泊用キャビンが建設される予定。
アウトドに設置されたアシャワーは、コンポストから発酵される熱でお湯を温めて
利用したもの。長引く雨の影響で十分に土が発酵せず、ぬるま湯だったけど。

受講生は26名、オーストラリア各地から集まってきた人たちにくわえ、
カナダ人、ニューカレドニア人、イタリア人、ドイツ人、日本人、など国際色豊か。
最年少は15歳の高校生から50代のおじさままで、実に多様。

既に土地を所有していてパーマカルチャーのコンセプトに基づいてデザインしたい
という実践的なニーズから、将来はその道でキャリアを積みたいから受講を決めた、
などそれぞれのバックグラウンドを聞いているだけでも面白い。

一日のスケジュールは、

6時半起床 畑仕事や牛/ヤギの乳搾り
7時半 朝食
9時〜10時半 講義(ビル・モリソン著「 Permaculture, A Designer’s Manual 」がテキスト)
10時半〜11時 ティーブレイク
11時〜12時半 講義
12時半〜13時半 ランチ、休憩
13時半〜15時 講義
15時〜15時半 ティーブレイク
15時半〜17時 講義
17時半〜 夕食
21時   就寝

講義が行われいたクラスルーム。珪藻土で室内は涼しい

先生は、ビル・モリソンの愛弟子でもあり、30年近くパーマカルチャーの業界で
活躍している Geoff Lawton. 中近東やアジアなどの発展途上国においても
パーマカルチャーに基づいたインフラ整備、コミュニティづくり、
都市再生を手がけてたきたコンサルタントでもあります。


左手前がGeoff .

2001年にここzaytuna farm (広さ:65ヘクタール=650,000㎡!)を
$100,000で購入し(当時、このエリアの土地単価は1ヘクタールあたり$50!!)、
研究機関としてパーマカルチャーの各種コースやトレーニングを行っている。


あまりに暑いので休み時間に、池へダイブ!

コース期間中の食事は畑で採れた野菜を中心にベジタリアン。
たまに出るお肉は、ファームで放牧している家畜を絞めたもの。
コースの受講生のほかに、常時ウーファーが10人程度いるファームなので、
スタッフ含めると食事は40人前。準備も大変。

ジェフの奥さん、ナディアはジョルダン出身。
昔ながらの焼き方でジョルダン流ピタパンの作り方を披露してくれました。

ランチはとってもヘルシー。

私もキッチンの手伝いをしたり、日本食を1回つくって振る舞いました
カレーライス、海藻サラダ、野菜の炒め物、おいしい!と大好評でした。

パーマカルチャーのことはなんとなく知ってはいたけど、実際に本場で学んでみると、
聞き慣れない単語や、日本とは異なる地理、地形、気候、文化、慣習、などに
戸惑うこともしばしばで、久々に脳みそをフル回転!

なんといっても、何百エーカーという広大な土地を購入して、自らの手で自分の住まいと環境を
サステナブルにをデザインしよう、というスケール感が日本人になかなか現実味がない。

たとえば、雨期と乾期の差が激しく、水が貴重な資源のオーストラリアならではの
灌漑農業の仕組みや湿地帯/溜め池の作り方、排水のみならず廃棄物
(コンポストや糞尿など)の効率的な再利用のメソッドなど、新しい発見もたくさんありました。

ミニチュアのダムをつくって、乾期の間、水をどうやって地中に溜め込むか
地形線と重力に従って水が流れる様子を再現しながらデザインワーク。

最終日には、ファームを4つのブロックにわけ、4つのグループに分かれてデザインワーク。
「購買主のニーズやライフスタイル(子供あり/なし、年齢、職業など)にあわせて、
自分たちならどうこの土地をサステナブルにデザインするか」というグループプレゼンテーション
が課題として与えられました。

初期投資やランニングコストの分析、エネルギー効率の高い
家の設計などのハードウェアのデザインから、ゾーニング(日々頻繁に通うゾーンほど住居も
近くに設計する手法。例)鶏は卵を毎日産むから住居の隣に配置する、ハーブなど日常的に
使う野菜なども住居の近辺、ゾーン1に配置する、など)、そのゾーンで考えうる
資金化の仕組み(野菜や乳製品の販売など)などのソフトのデザインを総合的に
組み合わせたデザインプランを発表。

私は、ゾーン1の設計と家のデザインを担当し、ちょっぴり緊張したプレゼンも
うまくいきました。

今回の研修を振り返ると、実際に何か成果物をつくるぐらいの肉体的な実践を期待して
参加したのだけど、大半はテキストブックにそった講義が中心で、

「じゃ、いま習ったコンセプト、哲学を実践してみよう!」という、

ハンズオン的な課外授業や、ほかのコミュニティの視察など、実用編が盛り込まれていると
もっと理解度もあがったと思うが、まあ、それでも2週間、なかなかできない経験をさせて
もらえて、同じ夢を語れる仲間にも出会え、新しい道が開けていく気がした。

そして、このハードでワイルドななキャンプ生活がおわって、ビーチ沿いで少しリラックス
しながら優雅にヨガのトレーニングを、と期待していたら、これまた想像以上にハードな
トレーニングが待っていました・・・。

続きは、また今度。