大自然の中でキャンプを終えてベンチュラで一人途中下車。やってきたのは、greenzでも度々取り上げている(過去記事一覧を本文末に掲載しました)サステナブルカンパニーの代表格、パタゴニア社。
創業者イヴォン・シュイナードが20年以上にわたり厚い信頼を寄せ、1988年に日本支社を立ち上げ、現 International Marketing Director の藤倉克己さんを訪ねてきました。
私が知る限り、本気で環境や地球の未来のことを考えてビジネスをしている(しかも成功している)会社はパタゴニア社ぐらいだと思う。創業以来一環して「企業活動と地球環境の共存」に向けて取り組み、製品づくりを通して消費者に、寄付活動を通じて社会全体に、環境保護の大切さを訴え、その結果として収益を得、さらなる製品づくりや寄付活動につなげてきた。彼らの取り組みは持続可能なビジネスの先駆的な例としてのみならず、消費者や社会を巻き込む社会貢献活動としても優れた一例といえる。
そんなパタゴニアにインスパイアされて、イヴォンのいう ” Let my people go surfing (社員をサーフィンに行かせよう!)” 的ワークスタイルをgreenz でも推進してきた(といっても、サーフィンに行くのはgreenzの中で私ひとりだけど!笑)。
で、今回実際にオフィスを訪れてみて、いろいろ見聞きして、改めて、型にはまらないそのビジネススタイル、ワークスタイルに惚れました。このオフィス潜入レポートは、改めてgreenzできちんと記事にしますが、一足先にベンチュラ滞在日記をどうぞ!
パタゴニアの前身、シュイナード・エクイップメント社のブリキ小屋はいまもそのまま。
パタゴニア本社内部の様子。すべてがオープンスペースになっていてスタッフ間のコミュニケーションも活発。
300人が勤めているという社内には、テキスタイルデザイナー、パタンナーなどもいて、店頭に並ぶ前の最新ウェアのデザイン案があちらこちらに。
サンプルの縫製場も。手先の器用なベトナム人を多く雇用しているそうです。
もちろんサーフボード工場だって。最近日本での売り上げが伸びてきていて、この日も日本に向けて数十本出荷したそう。
社員が利用するカフェテリア。食材はオーガニックのものばかり。
そして、今回実際にみて一番感動したのが、敷地内に設けられた託児所と保育園。カフェテリアのすぐ横にある砂場では、こどもたちが元気に遊んでいました。
福利厚生の一環というよりは、親は子どもの人格が形成される幼少時はなるべくそばにいてあげて、愛情をたっぷり注いでやることが重要と説いたイヴォンの奥さん、メリンダが1982年に始めたこと。藤倉さんの息子さんもここに通って育ったそう。
ここは、生後6週間から4歳までの子ども60人がいる認可施設だ。ベビークラスは、現在6人の子ども(赤ちゃん)がいて、それに対する先生の数は4人。カリフォルニア州法で定める大人1人:赤ん坊4人より多い!これは、「大人は子どもを観察し、子どもが何をしたいかを尊重し、子どものニーズを満たすことを最優先させる」という教育理念によるため、きめ細やかなケアが行き届くようにとの計らいだ。しかも、パタゴニア社が毎年最0.5Mドル(日本円で4500万円ぐらい)の資金補助しているんだとか!
1歳半の子どもでも、きちんと教えれば、ゴミの分別ができる
決して広くはないけど、赤ちゃんでも自由にハイハイできるようにと芝生の上に置かれた遊具。奥には、果樹がたくさん!
子どもの発達段階にあわせて、もっとも適した遊具、クリエイティブを刺激する道具やツールの数々、身体にあった家具が備えられている。こちらは3歳児のお部屋。
また、社員のために、就学児(5歳以上)の子どもたちのための放課後プログラムもある。なんとパタゴニア社専用のバスで学校まで迎えに行って、ここに連れてくるそうだ。この日は、学校がお休みの子どもたちが数名集まっていて、お菓子作りをしていました。
施設の至るところにプランターでお野菜が育てられていたり、オレンジ、シトラスなどの果樹がたくさん植えられていた。今後は、Edible Schoolyard(食べられる校庭)を目指して、施設のグリーン化をさらに進め、子どもたちが実際に地球のエネルギー見て、感じられるような場所にしたいと願っている。
廃材のタイヤの上にあったプランターではトマトを栽培。子どもたちが自分で種を植えて、水をやり、収穫を楽しみにしている
ベンチュラ滞在は4日間でしたが、毎日藤倉さんにサーフィンに拉致られ(笑)、メインポイントのC Streetで入水。水はやっぱり冷たかったので、パタゴニアのウェットスーツとボードをお借りしました。藤倉さん、本当にお世話になりました!
風が入っていましたが、サイズは腰(セットで胸)、なかなか楽しめました。藤倉さんは放っておくといつまでも入っています。本当に波乗りが大好きなんですね。
今回の旅では、行くとこ行くこと、不思議と最終日には見事に波が小さくなり、去った後、
“She’s Gone With Waves “(彼女は波と一緒に消えちゃったよ)
といろんな友達に言われました(笑)
ステキな人たちに囲まれて、いい波に恵まれて、サーフィンがあると旅がぐっと色濃いものになる。
旅の最終目的地は、ロスアンゼルス。
greenz がいま最も注目しているメディア、GOOD Magazine のオフィスに潜入します!
今回の旅の様子は、greenzでも記事にしました。
【カリフォルニア出張報告No.1】大人の社会科見学。パタゴニア社のワークプレイスに潜入取材!
http://greenz.jp/2009/11/07/patagonia_office_visit/;
★パタゴニアに関する過去記事です。お時間あるときに読んでみてくださいね。
初めてイヴォンに会ったのは、2007年の秋だったかな。greenzがまだまだ大変な時期で、イヴォンの話を聞いて勇気づけられたっけ。懐かしいなー。
パタゴニアは誰のもの? イヴォン・シュイナードが語る企業のカタチ
http://greenz.jp/2007/12/21/patagonia1/;
持続可能な社会を実現するためのパタゴニア流シンプルライフのすすめ
http://greenz.jp/2008/01/22/patagoniasustainability/;
パンツだって立派な資源!「パタゴニア」に学ぶ持続可能な企業のカタチ
http://greenz.jp/2009/07/03/patagonia_business/;
これぞグリーン・ビジネス! パタゴニア創業者のイヴォン・シュイナード、大いに語る
http://greenz.jp/2009/08/06/greenbiz_yvonchouinard/;