ハワイイでの休暇を終えて、今年で3回目の参加となるSurfrider International Conferencen@サンクレメンテ(カリフォルニア州)に行ってきました。今回は、昨今の経済不況の影響をうけてか、参加者が例年より少なく、メキシコ、カナダ、オーストラリア、フランス、日本からの20名弱に加えてアメリカ本部スタッフ、合計30名弱が参加。スモールサイズのグループでしたが、逆に濃密なディスカッションとネットワーキングができました。参加者の年齢も若返って、6人いたカナダクルーは全員20代前半のアクティビストで、多くは現役大学生のボランティアでした。(写真は、コチラのアルバムからもどうぞ)
LAX空港からのシャトルバスで一緒だったカナダクルーCori (左)とPatrick (右)。現役大学生。よく遊び、よく食べる。とにかく若い!
会議のリアルレポートは、Twitter でも流していましたが、この国際会議がとってもステキでユニークな点は、なんといっても集まってくる参加者たちのパッションとビジョンが一致していること。参加者のほとんどはサーフライダー(以下、SF)の有給スタッフでもなく、私のように単なるSFのミッションに共鳴したボランティア。
宿泊費以外の費用(渡航費、食費など)がすべて自己負担にもかかわらず、時間とお金、エネルギーを投資してやってくる。それは、同じ目的、同じパッションをもつ人たちとつながりたい、わかちあいたい、というシンプルな想いからだ。国境や文化を越えて、お互いから学ぼうとするオープンな姿勢と積極性にはいつもインスパイアされる。数日間だけど朝から晩まで一緒に時間を過ごし、語り合って、一緒に海に入って、一緒に波に乗る。その一瞬一瞬の小さな出来事があまりに心地よくて、その感覚をココロの奥深くに大事にそっとしまっておきたくなる。だから、会議が終わっても、ソウルメイトとよべるような一生の仲間ができて、つながっていたいと思う。旧友との懐かしい再会のみならず、常に嬉しい刺激的な出会いがあるから、この会議に参加しているのかもしれない。
SFの本部は、USのグリーンビルディング基準、LEEDのゴールドステータス認証を受けている。建物自体は、プライベートジェットを2機保有するような超リッチなビジネスマンが購入して寄付してくれたとか。インテリアも建築事務所やデザイナーによるプロボノワークで、あまりコストはかかっていないそう。成功した企業家が、社会のために、GOOD CAUSEのためにと、寄付するカルチャー、フィランソロピー精神はなかなか日本にないので羨ましいです。
ディスカッションも多様で面白い。国によって異なる状況や環境問題、ベストプラクティスシャアリングはいつ聞いても勉強になる。常に現場の感覚を大事にし、環境問題の最前線でアクティビストとして活動するNGOの現状、リアルなニーズ、悩みなどを直にヒアリングできるのは、私自身の日々の仕事ともリンクすることが多いし、知っていて損はない有益な情報ばかり。 しかも、英語でのファシリテーション、プレゼンのトレーニングにもなるので、自己啓発のトレーニングといってもいいかもしれない。
それぞれの組織構造をマッピング。こちらはオーストラリアクルー
日本からは事務局の五来ひかりちゃんと副理事の許さんが参加。
ひかりちゃんは、SFジャパンに入ってまだ数カ月ですが、とても頼りになるお姉さん的存在。今回のプレゼンもばっちりでした。
そのほかのトピックとしては、
・それぞれの支部の近況報告およびHi-Lo (High:強み、Lo: 弱み)の共有
・NGOとしてどうソーシャルメディア(twitter, facebook, myspace, youtubeなど)を活用すべきか
・Cause Related Marketing とは。企業タイアップのベストプラクティス
・フランスを中心にヨーロッパで広まっている教育ツール “Smart Board “(インタラクティブ/デジタル黒板)
・各国の水質汚染の状況、問題点、解決策
などなど、盛りだくさん。
毎回みんなお土産を持参し、交換会は盛り上がります。Japanの文字が入ったTシャツ、缶バッジ、ステッカーはあっという間になくなるほど大人気!
SFのCEO、Jim(右から2人目)が着ているのは、「日本」という漢字とSFのロゴを組み合わせて、自分でデザイン、デジタルプリントしちゃったTシャツ。実は2年前からずっと欲しいといわれていて、今回時間があったのでやっとフォントを書いてあげることができました。本人は大喜び!
SFヨーロッパのディレクター Stephane, わたし、Jim、SF本部のアシスタント Kirstin
Jimは、クリエイティブなことと新しいモノ好きなギークで、パンクロックを愛し、ベンチャーキャピタリスト的なビジネスマインドセットの持ち主。こういう人がNGOのトップに就くと、土臭いNGOのイメージががらりと変わる。みんなでディナーを食べている最中の即興スピーチはこちら。いつ聞いてもインスパイアされます。
去年のブラジルほどクレイジーで寝不足にはならなかったけど、会議以外のお楽しみもいっぱい。
サーフィンもほぼ毎夕方、近くのサンオーフレ、またはT Street で入水。
サイズは腰、胸、水も温かく、日没までたのしめました。
サンオーフレ州立公園。
ボードはたくさんあるので好きなのをレンタル。
SFオフィスにほど近い、サーフィンの歴史博物館 Surfing Heritage Foundation にも行ってきました。
サーフィンマニアにはたまらない、お宝物の激レアボードがずらり!
まだサーフィンというものが確立される以前の、ただの板切れみたいなクラシックボードは古いもので100年前のモノ!いま復刻して人気を呼んでいるアライアの原型ともいえるべき美しいフォルムです。
ただただ重いだけの板を海に担いでいって、フィンもなく、パドルアウトすらままならない板で波に乗ろうとするなんて、いまのサーフィンとはまったく違うスポーツだったに違いない。
1890年代にサーフボードの原型をつくったカリフォルニアの木材会社の歴史について
時代とともに、サーフボードの形も変化している。
レジェンドサーファーたちだってボードを寄贈。右手前は、サーフィンの神様、ジェリーロぺス、隣は、世界王者ケリースレーターから。
この会議に参加するたびに、自分にとって大切なモノを再確認できる。
自分の生き方、あり方を見つめなおすことができる。
自分の原点でもある海という存在。
サーフィンを通してわかったシンプルに生きることの美しさと難しさ。
そして、同じ価値観、ビジョンをもち、分かち合える仲間がいる。
それだけで人生は十分幸せだと思う。
If you want to build a ship, don’t drum up the people to gather woods, divide the work and give orders. Instead, teach them to yearn for the vast and endless sea
– Antoine de Saint-Exupéry
★お知らせ
サーフライダーファウンデーションは、1984年に発足して今年で25周年。その記念イベントが10月9日にLAで開催されます。
豪華なアーティストに、サーフィン業界の著名人・有名人が大集合する予定です。
残念ながら私は既に日本に帰国しているので参加できませんが、お近くにいる方はぜひ足を運んでみてくださいね。
イベントチケットおよび詳細は、http://www.surfrider.org/25th/