Doing Well
Doing GOOD

Making Business GOOD

雑誌【GOOD】は、2006年9月に創刊した隔月誌。購読者数70,000人。

GOOD社は、良いことを行い、良い生き方を求める人々を対象としたメディア会社で、社会をより良くすることを目的に、政治問題から環境問題、アートとデザイン、持続可能なライフスタイル、社会起業家と多岐にわたるテーマを取り上げています。雑誌のデザインクオリティは高く、ビジュアルとメッセージを巧みに融合した紙面づくりを行ない、ウェブも活用した情報発信を手掛けています。

ただ、GOODが他のメディアと圧倒的に違う点は、そのビジネスモデル。雑誌購読者からの購読料20ドルが、全額同社の選ぶ12の非営利団体(Kiva, Ashoka, Room to Read等)に寄付されるというすばらしいモデルになっています。、まさに21世紀を代表するメディアです。現在の購読者は7万人なので、つまり、140万ドル(約1億26000万円)以上が寄付された計算になるんですね。

GOODの映像もかなりクリエイティブでウィットに富んでいて、特におススメなのが、TRANSPERANCYというチャンネル。以前greenzでも紹介しましたが、戦争の本当のコストなど社会問題にまつわるデータを可視化するコンテンツです。

そんな素敵なメディアを2006年に若干26歳で創刊したというMax Schorrと共同創立者Casey Caplowe、そして、「デザインの京都議定書」といわれているDESIGNERS ACCORDのファウンダーValerie Casey というスーパークリエイティブピープルがデザインイベントのため来日し、lounge greenzでお会いすることができました!


(左から)Max Schorr, Valerie Casey, Casey Caplowe

Valerieは、世界的に著名なデザイン会社IDEOデジタル部門で顧客サービス戦略を担当しつつ、2007年にDESIGNERS ACCORDというNPOを設立、現在10万人以上が登録するデザイナー、企業、教育関係者のコミュニティを運営しています。DESIGNERS ACCORDは簡単にいうと、サステナビリティに関するデザイナー同士のゆるやかな協定で、デザイナーのオープンソースを加速し、いいアイディアを世界中で共有しながら、「社会と環境をデザインするデザイナー」の意識をポジティブにかえ、社会にインパクトを与えるこ目指しているとのこと。詳しくは、greenz YOSHの記事をどうぞ。

まずは、greenzとbiopioのプレゼン。気合いが入るとこですが、なるべくリラックスして、話せたと思います。

だって、話し始めて数分で、3人が深く深くうなづいたり、メモを取ってくれたり、共感してくれる様が!!!きっと、私たちが伝えたかった、揺るぎないPASSIONとVISIONに、自分たちが数年前起業したときの昔の姿を重ね、目の前に同じ気持ちを持った若い日本人がいたことをうれしく思ったんだと(勝手に)想像しています。

3人ともlounge greenzをとっても気にいってくれて、メディアでありながら、リアルなスペースやコミュニティと連動しているところに共感してくれたようです。そして、メディアを通して世界を変えていくだけじゃなく、自分たち自らも変わっていくためのサステナブルコミュニティ、greenz villageの話にもノリノリでした!こちらも、いい感じで連携できそうで、一気にグローバルな展開になっていくかも!? (ちなみに、今回の来日で彼らが会う人は、中村勇吾さん佐藤可士和さんなど、そうそうたる顔ぶれ!が並ぶ中で、一番彼らと同世代でフレッシュなのがgreenzでした。)

クリエイティビティとパッションを融合させ、正しいメッセージとオンラインツールを活用して、リアルとバーチャルのコミュニティをどう活性化していくか。そこに集まってくる知識や知恵、リソースをみなで分かち合い、共有し、革新的で創造的な手法で、あらゆる環境・社会・文化問題をどう解決していくか。greenz meets GOOD。ミラクルな化学反応がおきました。

greenzのリニューアルを考えているこの時期に、グローバル/ローカル、時流、いろんな中での客観的な立ち位置が確認できたとってもいい経験でした。

3人の来日記録をつづったブログ(英文)でもgreenzのことが紹介されてます。

デザインイベントは、残念ながら私はいけなかったのですが、参加したYOSHの簡単な議事録をご参考までに送ります。もっと知りたい!という方は、greenzチームが編集予定の映像とレポートがいいかと思います(近日中にあがってくるはず)ので、ご興味のある方は、ご連絡ください。たぶん鑑賞会やると思いますよ。もしくは、英文ですが、こちらにより詳しい講演内容が掲載されています。

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SOCIAL DESIGN

DESIGN + COMMUNITY + SOCIAL IMPACT

■2月8日(日)

ソーシャル・デザインとは何か

*当日の資料は、こちらからダウンロードできます。

U.S.編【14:10~15:10】
プレゼンテーション1:Max Schorr(Co-founder & Community Director, GOOD Magazine)
雑誌『GOOD』のコンセプト、コミュニティ活動におけるデザインの役割

単なる利他主義ではなく、自分でも楽しく、みんなにとってもいい影響を与えるプロジェクトというスタンスが本当に共通している。
マックスの方程式は以下の通り。

Work + Love = Great Things

大事にしているのは

・transparency 透明性
・creativity 創造性
・authenticity ホンモノ性
・utility 活用性
・love 愛

目指すのは以下のバランス
relevant + entertainment (存在感 + 楽しみ)
pragmatic + idealistic (実務的 + 理想的)
community + individual (コミュニティ + 個人)
authenticity + scale (ホンモノ感 + スケール感)
fun + serious (ファン + シリアス)

締めくくりは

「楽しくダンスができなきゃ、革命には参加できない」

プレゼンテーション2:Casey Caplowe(Co-founder & Creative Director, GOOD Magazine)
雑誌『GOOD』におけるクリエイティビティとデザイナーの役割

YOU + US = GOOD → オープン!

すべてのページがコラボレーション、「空間のような雑誌をつくりたかった」という美しいコンセプト。
インターセクションをつくる。

その人の才能を活かして、ちょっと違い角度でオファーしたり、(グラフィックの人にエディトリアルを頼むとか、インフォグラフィックの専門家じゃないグラフィックデザイナーにインフォグラフィックをつくってもらうとか)。MAGICな新しいタイプのコラボレーションがGOODの本質なのだ!!

日本編【15:10~15:40】
プレゼンテーション3:池田正昭(クリエイティブディレクター/トーキョーチェンジメーカーズ&エコプラザ)
日本におけるソーシャルデザインの経緯

2 IDEOとデザイナーズ・アコードについて【15:45~16:30】
プレゼンテーション4:Valerie Casey(Leader, Digital Design Experience, IDEO & Founder,The Designers Accord)

メインは、IDEOの話。

デザイナーは結果(consequence)をつくるというのはみんながうなづいてた。
エゴな部分も持ちつつも、いかにオープンにするか、そこが新しい時代。

ヴァレリが落ち込んでいたときに届いたポール・ホーケンからのメールも紹介された。

A lot of people – including me – wish the problem would go away.
but once you see it, it’s impossible to unsee it.

3 パネルディスカッション「今、デザイナーに求められていること」【16:45~18:00】
Max Schorr、Casey Caplowe、Valerie Casey、上田壮一(プロデューサー/Think the Earthプロジェクト)、永井一史(アートディレクター/HAKUHODO DESIGN)ファシリテーター:池田正昭

・いかに条件をつくるか
・いかに競争相手を共働相手に変えるか、枠組み
・タイミングとしては、認知からアクションへ「Perfect Stormがきてる」(ヴァレリ)
・「オープンになるには、知らないということを知ることが重要」(ケーシー)

・東京のベストケースはgreenz!(マックス)

・人を探すことが面白いんだよ(ケーシー)
・「なぜデザイナーになりたいのかを自問すること、その答えが見つかることから始まります」(ヴァレリ)
・「まじめにやりつづけることで、いろんな人がいてくれる」(マックス)
・「オープンであることというのは単純に世代の違いとかではない。一緒に出来ることを探しましょう」(マックス)