ここ数年、第2のSOHO、イーストビレッジとして、工場跡や廃墟を改造したオシャレなギャラリーやカフェ、ハイエンドなインテリアショップがオープンし、若いクリエイティブ層が移り住んできて、サステナブルデベロップメントのエリアとして新しいカルチャーが形成されつつある、ブルックリン。マンハッタンから1時間かけて、いってきました。

高層ビルだらけのマンハッタンで見上げた空はとてもせまくて、緑も少なくて、私にはちょっと窮屈な場所。その点、ここは建物が低く、視界も開けて、大きい街路樹からこぼれるキラキラした陽の光がまぶしい。こっちの方が、断然落ち着く。

さて。
今日は、琴栄の友達、JuileとScottが始めようとしている、コミュニティスペース&バー ”LITTLE FIELD”を見学にいってきました。

場所は、工業地帯のGOWANUS。巨大倉庫が軒を連ね、ほとんどがシャッターがおりているため、中はうかがえないのですが、Julie曰く、怪しい違法?な商売をやっているような業者も多いみたい。そのため、昔は産業廃棄物による環境汚染もひどかったそう。だからこそ、いま行政は、ここを安全できれいでサステナブルなまちにリブランディングしようとしているのです。


かつてPurple River (薬液や有害物質による水質汚染で水が紫色に変色するらしい)とよばれていた工場地帯を流れる運河。いまではきれいになり、週末にはカヤックする人もいるぐらい

Little Field への入口。

大学で環境工学を専攻していたScottとJulieは、3年前、この倉庫を見つけ、「アートと音楽と楽しい時間をみんなで共有できるサステナブルなコミュニティスペース」という二人の夢を実現すべく、プロジェクトに取り掛かった。入念にビジネスプランを練り、資金を集め、やっと内装工事に着工した。

環境エンジニアとしてのバックグラウンドがある二人は、できるだけ環境負荷の低い建築方法を採用している。もともとあったものをリユース、または可能な限りリサイクル素材を使い、周辺の環境アセスメントもしっかり行っている。


入口スペースは吹き抜け。屋根はルーフトップガーデンになる予定


知り合いから激安価格で譲ってもらったというボーリングのレーンはバーカウンターになる予定!


パフォーマンスステージの周りの壁は元は廃材だったトラックのタイヤ部分(黒いとこ)を張って音響アップ

LITTLE FIELD のコンセプトは、

 小さな緑からはじめよう
 自分の周りにある小さなものを大事にしよう
 すべては小さなことからはじまる

というもの(By 松原広美の勝手な解釈ですが)

オープニングは、11月21日(予定)。
完成を見られないのが残念ですが、今後、Little Fieldをハブに、いろんなムーブメントが起きてきそうですね。

自分がもっているスキルと知識をいかし、自分の夢を一緒に叶えるパートナーまで見つけちゃった、JulieとScott。
あったかくて、キラキラしていて、夢を実現させようとしているパッションが素敵な二人でした。
Good Luck!

つづいて訪れたのは、Cafe Habana Outpost
実は、最近greenzの翻訳スタッフに応募してくれた女性が、こちらに住んでいるというので、ランチを一緒にしました。

さて。
このHaban Outpost、相当グリーンでエココンシャスなキューバ・メキシカンカフェでした。
(お店のデザインを担当したのが、なんと佐和子さんの大学時代の先生だとか!)

どれぐらい、グリーンかは、コチラ(英文)を見て頂くとわかりますが、

みて、この巨大なソーラーパネル!
これで電力をまかなっているそうです。

アウトドアの席が大半。天気のいい日はこうしてお外でランチ。したがって、電気代も削減!
また、週末には、Habana Works IncというNPOが主催するコミュニティマーケット、キッズ向けの環境教育プログラム、サステナビリティに関するワークショップ、デザイナーやアーティストのインスタレーション、など地域に開かれたカフェというのも素敵ですね。

使用するお皿やコップ、ナイフやフォークは、とうもろこしやサトウキビなど土に還る素材で作られています。

ゴミはリサイクルされ、生ゴミはたい肥生成施設へ。
一部のテーブルはリサイクルプラスチックとおがくず製。
ドアは、南米の修道院から。
お店の看板は、ガソリンスタンドからのリサイクル素材。
食べ物を作っている赤いトラックは、もとは郵便局のトラック。
雨水や店内で使用した水を回収し、植物やトイレの水に利用。


トイレの壁にあった水の循環図。こんなかわいい図だったら子どもたちも興味もってくれそう

そして極めつけは、バイクブレンダー。

photo courtsey of Habana Outpost.

残念ながら土日のみのサービスですが、後ろにミキサーを積んだ自転車をこいでスムージーを作る、というもの。greenzでも以前、自転車人力発電コンサートを紹介しましたが、これぞ究極の自家発電。自分でこぐ人は4ドル、お店の人にこいで欲しい人は5ドル!と、遊びゴコロもたっぷり。

ベジバーガーをおいしく頂きました~。


デジタルアーティストとして活躍している加藤佐和子さん(写真右)

いやはや、ブルックリン、面白かったです。

つい先月、Green Brooklyn…Green City Conferenceというサステナビリティをテーマにしたイベントが開催され、sustainable design, green manufacturing, transportation alternatives, energy efficiency, environmental education, sustainable foodなどのシンポジウム、ワークショップがあったようです。ニューヨーカーたちもこぞって注目するのが、ここブルックリン。

ブルックリン、要チェックです。
今後は、加藤佐和子さんにgreenz NY特派員として、最新情報をお届けしてもらうのでお楽しみに!