大学時代にウィンドサーフィンに明け暮れた、思い出がいっぱいつまった
懐かしの鎌倉材木座海岸。折しも台風4号のうねりが届き始める中、
海を目の間にする AmandanBlueを会場に Patagoniaの40周年を記念する
プレス発表会が行なわれ、行ってきました.

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パタゴニアで働くみなさんは、いつ会っても、ほんとうに
気持ちのいい人達ばかりで、公私ともにお世話になっています。

Patagoniaの創立者イヴォン・シュイナードの甥にあたり
創立以来在籍しているヴィンセント・スタンリー氏
によるスピーチでは、パタゴニアの40年のヒストリーが
語られました。

イヴォンが、自分や仲間たちのクライミング・ギアを作る
会社として出発したPatagoniaは、やがて、アウトドアのフィールドを
訪れる度に、荒廃した自然を目の当たりにし、また自分達のつくった
道具が自然を破壊していることに胸を痛め、資源が無限でないことを
実感していきます。

そして、自分達のフィールドと環境を守るために、次世代の事を考えて
行動していくために、

『最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。
そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する』

という社是を掲げます。

*パタゴニアについてより詳しくは、下記の記事もどうぞ!
パタゴニアは誰のもの? イヴォン・シュイナードが語る企業のカタチ
持続可能な社会を実現するためのパタゴニア流シンプルライフのすすめ

その後、全製品をオーガニックコットンに切り替える、
社内に託児所やオーガニックのカフェテリアを設けるなど、さまざまな革新を
生み出していきます。*パタゴニア本社(カリフォルニア)を2009年に訪問レポートしたときの様子はコチラ

もはや、その本気度は、アウトドアアパレルメーカーの域を超え、
倫理的、環境的、社会的にもサステナブルブランドの
パイオニアとして成長を遂げていきます。

そして。
創立40年の今年、『THE RESPONSIBLE ECONOMY – 責任ある経済』
というPatagoniaが新たに取り組みはじめた環境キャンペーンの紹介が
パタゴニア日本支社長、辻井さんよりありました。

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企業として、持続可能な環境、社会を維持していく
レスポンシブルカンパニーであることは、もはや必要不可欠な時代。

そして、これからは、レスポンシブルエコノミーに
どう貢献していくのか、ということが問われています。

パタゴニア日本支社では、今後、サーフライダーでもコラボしはじめているBig O Project
丹羽順子ちゃんがはじめた、[服としあわせのシェア Xchange] など
さまざまなパートナーと連携を強化し、不要になった衣類のリサイクルや
リユースに力を入れて展開していく、とありましたが、
パタゴニアが先進的なのは、イヴォンの言葉 Live Simply
あるように、「ほんとうに必要なモノだけを吟味して買う」、リデュースを
推奨しているところにあると思います。

そもそもパタゴニアが取り組み、啓蒙している課題の根底にあるのは、
現代社会の行き過ぎた成長と大量消費です。

実際、2011年のブラックフライデーには
「Don’t Buy This Jacket (このジャケットを買わないで)」という
新聞広告をニューヨーク・タイムス紙に掲載しました。

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*ブラックフライデーとは、アメリカ合衆国の11月第4木曜日の感謝祭の翌日の
金曜日のことで、感謝祭明けにスタートするクリスマスのセールにより、国民が
一斉に買い物に出かけ、小売店が黒字になることから、こう呼ばれています。

普通なら、購買を促すような広告を打ち出すどころか、
購買を控えることを求めるような企業は、おそらくパタゴニアだけでしょう。

さらに、その環境に対する責任や想いを社会に広めるべく
Sustainable Apparel Coalition という連合組織を
つくります。ここには、世界を代表するアパレルファッションブランド82社が
加盟し、製品製造工程における環境や社会へのインパクトを測定するノウハウ、
またその影響を軽減するためのアイディアやプロセスの共有を目的としています。

いまや、90兆円といわれるアパレル市場。
ファストファッション、という言葉に代表されるように、
チープなアイテムが大量に生産され、大量に購入され
大量に消費され、年間数億トンともいれわる衣類のゴミが
廃棄されています。

また、服を低価格で効率よく流行にノッてスピーディーに
提供できる背景には、生産の段階で、
私たち先進国の消費者、購入者には見えない、
人権問題、環境問題が絡んでいます。

もしかしたら、発展途上国の労働者たちが安い賃金で酷使されているの
かもしれない。

もしかしたら、効率よく安価な材料を求めるあまり、農業が大規模化され、
農薬や除草剤、化学肥料が使われ、土壌汚染、環境破壊が進んでいるの
かもしれない。

(実際、世界中で年間に使用される様々な農薬の量を100とすると、
その内の25%がコットンの生産に使用されていると言われています)

食べモノに関しては、オーガニックが浸透してきて
気をつける人も増えてきたけど、

服を着るとき、服を買うとき、
そんなことを、ちょっとでも想像してみてください。

一番いいのは、やっぱり、何も買わないこと、ですけどね!
それが結局、シンプルでいい。

It is easy to make your life complex
It is so hard to make your life simple

人生を複雑にすることは、簡単だ。
人生をシンプルにすることは、すごく難しい。
〜イヴォン・シュイナード〜