ゴールドコーストにつきました!
飛行機から降り立つと、一気にむあーっと真夏の空気。
照りつける太陽がまぶしく、日差しがいたいぐらい。
成田を出国した日は雪だったから、なおさら嬉しい。
さて、今回はクーランガッタについてそのままトランジットして
ニューカッスルへ飛ぶ予定でしたが、重要なミッションがおりてきたため、
フライトを一日延期しました。
それは、サーフィン界のキング、ケリースレイターと会える事に
なったから!サーフィンをやらない方のために解説すると、ケリーは
前人未到の11度のASPワールドチャンピオンとして、48回エリートツアー優勝
サーフィン界のトップを20年間走り続けてきた人。
彼の偉業はこちらから
プロサーファーとか、芸能人だとか、セレブとか、特に興味はないんですが
やっぱりそんな人に会えるとなったら浮かれるもんです。
まずは、日本の人々、日本人サーファー、海を愛するすべての人へむけた
ケリーの貴重なメッセージ映像をご覧ください!
日本語字幕は近日挿入予定
先月40歳の誕生日を迎えたケリーは、いまだ現役バリバリ、
天性の強靭的なバネと柔軟性で、美しくキレのあるサーフィンをみせてくれます。
日本を出る直前、スナッパーロックスで開催されている
QUICKSILVER PRO コンテストのライブストリーミングを見ながら、
「この人と本当に会えるんだろうか」
という不安とドキドキは、その当日まで続いた。
(*去年の観戦レポートは、こちら
スナッパーロックス
そもそも、どうして会えることになったかの背景を(自分への備忘録としても)
経緯をおって説明しておくと・・・
あれは去年9月。
トップアスリートとして積極的に社会貢献、環境問題への啓蒙活動を
行っているケリーは、福島原発事故によって引き起こされた放射性物質
による海洋汚染に対する不安をTWITTERでつぶやいていたんです。
それをみた、SURFRIDER CEO JIMが、粋な計らいですぐさま
リプライ。
要約:海への放射性物質の廃棄は過去数年SFJが注力しているキャンーペンで、詳細を知りたい/つながりたいなら、@hiromimatsubaraに連絡をするといい
そして、直後に、ケリーとわたし、ツイッター上でチャット開始。
でも、この時はまだ半信半疑だった。ほんとうにケリーなんだろうかと。
過去にツイッターマジックでいろんな人と知り合えたけど、
こんなにいとも簡単につながれてしまうものなんだろうかと。
要約:義援金の寄付や放射能問題についてSFJの@hiromimatsubaraと連携していくので、協力できる人はぜひお願いしたい
それ以来、メールのやりとりを続け、
10月に時を同じくしてフランス入り(私はサーフライダー国際会議、
ケリーは、コンテスト出場)していたため、実際会って話をしようかと
調整を試みたけど、そこは、世界を股にかける王者。
ひとつのコンテストが終われば、また次の開催国へ飛び立っていく。
とにかく忙しい。結局会えずじまいだった。
そして、それから半年。きっとケリーも忙しくてこんなやりとりが
あったことさえ忘れてしまっているだろうなと思いながら
駄目もとで連絡をとってみた。だって、せっかく同じ
ゴールドコーストにいるんですからアタックしない手はない!
そしたら、なんと、
「直接あって話そうか」と嬉しい返事がきた!
それでも、広報担当者が代弁して返事をしているんじゃないか、とか、
やっぱり本人は忙しくなって、マネージャーが実際は現れるんじゃないか、とか、
本人に会えるという確証はまだ自分の中になかった。
それに、大事な大会中だから、こんな分けもわからない小娘のために
余計なコミットメントをさせることも
負担になるようなことも避けたいと思っていた。
そして、迎えた3月1日。
朝6時半、成田からの直行便でゴールドコースト到着。
実は、出発直前に、久々にドキドキしながらケリーに電話したけど、
つながらず、留守電を残した。
不安がよぎった。
ほんとうに会ってもらえるのかと。
空港近くのホテルにひとまずチェックインしてメールをチェック。
すると、ケリーからのメールには、な、な、なんとランチのお誘いが!
そう、今日は波がなく、コンテストはLay Day (開催見合わせ)になっていたのだ。
一気に有頂天ですよ、そりゃあ。
だって、こんなこと、ふつーじゃ、あり得ない。
それでも、まだドタキャンされるんじゃないか、とか、
代理人またはその他大勢の人もいるんじゃないか、とか、
ちょっと疑っていた。自分のためにも、あらぬ期待はもたないようにした。
ランチまではしばらく時間があったので、とにかく長旅の疲れを
リフレッシュ!、とおもって、友達にピックしてもらって、海を目指した。
波はいまいち、北東びゅーびゅーだったけど、透き通る海を目の前に
入らないわけにはいかない!風をかわす、Duranbahで1時間ちょっと入水。
フルスーツ&グローブ&ブーツの極寒北千葉から来た身にとって、
そこはもうぬるま湯天国。タッパー&水着で入れて、癒されたー。
新島出身のかおちゃんとまさひろ君夫婦。一年間滞在予定!波乗につき合ってくれてありがとう!
海からあがって、さて、そろそろかなと、緊張しながら
ケリーに連絡をしたら、つながらない・・・またもや不安がよぎる。
と思っていたら、SMSがかえってきた。
ミーティングがおしているけど、30分後に会おうか
ほッと胸をなでおろした。
・・・・・
で、結局会えたのは、
それから4時間半後!!!!
どんだけ待たせるんだいッ!!!!笑
ってさすがにキング相手にもちょっとだけ思ったけど、
別にケリーにとってみれば、他に優先すべき事項は山ほどあって、
私はおまけみたいなものだし、そもそも会ってくれるというだけで
素晴らしいじゃないか。
しかも、どんなお忍びランチになるのかと思ってちょっとドキドキしていた
んだけど、そんな期待もむなしく外れ、腹ぺこ状態で向かいましたよ(笑)
でも、嬉しい事に、ケリーを待つ間、偶然居合わせたトム・キャロル
(オーストラリアのシドニーで生まれ育ったトムは70年代後半から
80年代の後半に活躍したレジェンドサーファー)と仲良くおしゃべり
できたのはよかったけど!
小柄で最初はトムキャロルだって気がつかず、陽気なおじさんだなーと思っていた、笑
4時間半待ったおかげで、緊張感もすっかりなくなってしまったけど、
逆にそれがよかったかも。
案内されて入った部屋には、何枚ものサーフボードに、
クイックシルバーのスタッフたち、関係者がワラワラ。
一日の長いミーティングがようやく終わった様子だった。
さすがにケリーも疲れていた様子。自己紹介もままならないうちに、
スナッパーロックスの海を眼下に見下ろす風通しのいいバルコニーに案内され
“What do you want to talk about ” (何を話したい?)
と聞かれたので
”Well, what do you want to know about ?” (アナタは何が知りたいの?)
と逆に聞き返してみた。(けっこう生意気な発言...)
明らかに立場としては、こちらが下で
一方的な申し出だったけど、
ただ事実や事情をまくしたてても、
何かを押し付けても
何かをお願いしても、
それじゃあ、ケリーの本心やほんとうのところは
聞き出せないと思った。
それじゃあ、ほんとうの対話にはならないし、
私を信頼してもらってえないと思ったので
なるべく等身大で語るようにした。
それから、一時間いろんなことを話し合った。
数日前、ライブストリーミングで見ていたケリーが、いま自分の隣に座って、
自分の話を聞いてくれているのは、とっても不思議な感覚だったけど、
そこは、イチサーファー同士、話はつきなかった。
日本の状況、フクシマのいま、過去に出場した日本でのサーフィン大会
の思い出(台風のグラウンドスウェルが到達した2005年@マリブでは、
はるか沖で割れた20ftの波にトウインサーフィンをし、ボードが3枚に折れた
話とか!)、サーフライダーのこと、放射能調査のこと、食物の汚染度のこと、
チェルノブイリのこと、これからのこと・・・
ケリーは、予想していたより、いろんな事をよく知っていた。
きっと、いろんな情報を自分なりに調べて、自分に何ができるか、
考えてくれているんだと思えたし、だから、こうして、私なんかのために、
二人で話す時間をとってくれたんだと(はい、結局は妄想です)
4時間半も待たされたけど(しつこい?笑)。その真剣な姿勢が嬉しかったし、
私と同じように、海とサーフィンを愛するイチサーファーとして、
何かしたいというふつーの感覚を持ち合わせている事に、どこかすごくほっとした。
実際問題、多忙極まりないケリーに何をどこからお願いしていいのか、
どんな協力をしいてもらえるのか、具体的に次のステップにどうつなげられるかは、
これからの課題で未知だけど、暖かいメッセージをもらえたし、
彼なりのコミットメントも聞けたので、一緒にポジティブなアクション
を起こせていけたらと思う。
1時間程度のおしゃべりだったけど、終止気さくで、ビデオメッセージ撮影の
ときもいいアングルで声がきちんと撮れるようにと、
協力的で(詳細は内緒。うふ)、最後にミーハー根性丸出しのサインと
写真にも快く応じてくれた。
さすがにこれは記念としてやっておかないとね。
相棒、佐々木真くんに頼まれたサイン。行きの機内で読み終えたケリーの自叙伝です
それにしても、予想だにしていなかったケリーとの出会い。
サーフィン界の神様ジェリーロペスに出会えたときも、
相当興奮して、仕事冥利につきる!とおもったけど、
今回もまさに。
キングだろうが、神様だろうが、サーフィンという魔法のような言葉の
おかげで一瞬で打ち解けられ(と思っているのは私だけかもしれないけど..)
真面目な話をしていても、波の話になった途端、サーフィンがうまい、
下手は関係なく、その気持ちよさをお互いが共感でき、サーフィンという
楽しみは、それができる持続可能な環境あってこそ、と実体験からわかっている
からこそ、強くつながっていられるんだと思う。
最後にみんなで記念撮影!
この出会いを大切に、また一歩前に進もう。
thanks Kelly !