パーマカルチャーの研修をおえ、再びバイロンベイへ。
休む暇なく、今度はヨガティーチャートレーニング
@ Byron Yoga Centerがはじまりました。

これが想像以上にハード!
ステイ先はTallows Beach に面したかわいいキャビンで、
外界の刺激をいっさいシャットアウトした、まるでサンクチュアリーのような場所!

ビーチまでは歩いて3分!

みてこの透き通るような海!

4人でシェアしていたキャビン。

山奥のテント生活から生還した身にとって、この環境で12日間は最高じゃない!
と思っていたら、超濃密なスケジュールを見てその甘い考えは打ち砕かれました。

一日のスケジュールはご覧のとおりびっしり!

5AM 起床、瞑想やヨガなど自主練習
6- 7:30 ヨガのクラス
7:30 – 7:45 休憩
7:45 – 9:00 ヨガの講義(一つ一つのポーズについて説明と教え方の練習)
9:00 朝食
10:00 – 13:00 ヨガの講義 (途中ティーブレイクあり)
13:00 ランチ
14:30- 17:30 ヨガの講義(瞑想やヨガの哲学、マタニティヨガ、解剖学や生理学の講義も)
18:00 – 夕食
19:00- 20:00 瞑想の講義と練習/キリタン(マントラを歌う)
21:00 就寝

と、かなり濃密。

ヨガ暦は5年ぐらい、わかっていたつもりだけど、
実際に口に出して人に教えるとなると、それは別次元。
超大変なのです!しかも、英語。

ヨガのポーズをとりながら呼吸を乱さずエレガントに語り、且つ、
他人のポーズをみて必要あらば修正をする、なんてかなり高度ですぞ。

最初の数日間はテント生活の疲労とこれからはじまる12日間の
トレーニングに対する緊張からか、体調が優れず、ドロップアウトしそうになるほど、
本当にきつかった。

28個のヨガのアサナ(ポーズ)を安全に教える、というインストラクションの講義
と練習を中心に、それぞれのアサナを実施する際の注意事項と効果、プロップ
(ブロック、ストラップなどのツール)の効果的な使い方などの実践にくわえ、
ヨガを教えるうえで必要となる知識や思想を学ぶために、ヨガの理論や哲学、
プラナヤーマ(呼吸法:ウジャイ、ナディショーダン、ヴィローマ)、
メディテーション(ジャパ瞑想、ヨガニードラ瞑想、マインドフルネス瞑想)、
解剖学/生理学の講義もあって、とにかく覚えることがたくさん!
大学受験以来(かも)、必死にアタマにつめこみました。

なかでも、ヨガの哲学や理論を学ぶ事で、自分の内面をじっくりと観察し、
ココロの奥深くに潜む感情を呼び覚まし、感覚を研ぎすまし、新しい自分が
発見できて、健全なカラダ、精神、感情のバランスを保てるようになってきました。

バイロンヨガセンターで取り入れているヨガは、Purna Yoga と呼ばれ、
Purna は統合された、完成された、という意味をもち、アサナ、プラナヤーマ、
メディテーションの実践にくわえ、ヨガを習得していくうえで大切にすべき
8つの支則(段階)を組み込んだホリスティックなアポローチになっています。

8つの支則とは、

1)YAMAS (ヤマー)禁戒:基本的且つ道徳的な鍛錬で、5つの行うべきでないこと

AHIMSA (アヒムサ):非暴力、不殺生。行いだけでなく、
考えることや言葉によるものをすべて含めて悪意をもたないこと

SATYA (サティア):正直、偽らない。真実に基づいて考え、話すこと

ASTEYA (アスティーヤ):不盗、信用を裏切らない、他人を羨んだり、
他人がもっているものをほしがらない

BRAHMACHARYA (ブラフマチャリヤ):貞操、行動を抑制すること

APARIGRAHA (アパリグラハ):不貧。必要以上にものを集めたり、
蓄えたりして所有しないこと

2)NYAMAS (ニヤーマ)勧戒:個人の行動の規範で、5つの行うべきこと。

SAUCHA (シャウチャ):清浄。身体を清潔にするだけでなく、言葉や行いなど
も含め、心身の不純物を取り除く事。

SANTOSHA (サントーシャ):足るを知る。必要以上の欲をもたないこと

TAPAS (タパス):鍛錬、苦行。常に最大の努力を惜しまないこと。

SVADHYAYA (スヴァーディヤーヤ):書物の研究やマントラを唱える事。

ISVARA PRANIDHANA (イーシュヴァラ プラニダーナ):神への献身。

3)ASANA (アサナ):ポーズ、体位法

ここまでの3つの教えは、人間らしさを忘れず、自分の感情や欲求を
コントロールし、それらをうまく調和させていくための、外側からの探求です。

4) PRANAYAMA (プラナヤーマ):呼吸法
プラナは自制心や野望を含む生命のエネルギーを意味します。そして、
アヤーマは、伸ばす、を意味します。プラナヤーマはエネルギーを自分の内側
に向け、プラティヤハーラ(次の段階)にむかっていくためのココロの準備、
または感覚から切り離してその先へ進んでいくための過程です。

5)PRATYAHARA (プラティヤハーラ):感覚をコントロールする
外側の刺激をたち、ものに対する欲望や願望からすべての感覚を切り離す
ことで、精神を受け身の状態となり、自分の意識が内側へと向けていくことで、
内側からわいてくる満足感や充実感へとつながっていく。

6)DHARANA (ダラーナ):静慮、瞑想(凝念で安定したココロを持続させる)
1つの物事に集中し、精神を鍛え、瞑想状態に入るために身体的エネルギー
を集めていきます。

7)DHYANA (ディヤーナ): 静慮、瞑想(凝念で安定したココロを持続させる)
精神を一点に集中させていくと時が経つにつれ、自然と瞑想状態にはいって
いきます。瞑想は時間、場所、条件や制限を超えて、私たちの内側の意識を
膨らませ、無限大に広がる宇宙へと導いていくものです。

8)SAMADHI (サマディ):三味、悟りを開いた状態
前述の7つの段階を経てたどり着くことのできる頂点であり、アシュタンガヨガ
の再刺繍的なヨガのゴールといわれています。サマディは瞑想を超えたその先に
あるもので、何もいらない、何も望まない、何ももたない、ということに至福の
喜びを感じ、完全に解放された状態です。

ヨガを本当にきわめていくためには、この8つの支則のすべてを連携させる
ように努力し、アサナ、プラナヤーマなどの身体に働きかけるもの、
ヤマ、ニヤマ、プラティヤハーラ、ダラーナ、ディヤーナなどの日常の行動、
すべてにおいて努力を続けなければならない、という教えです。

私は、どちらかといえば、ヨガは、パワーヨガに代表されるような、
難易度が高く、テンポの速いアサナを極めたい!というハードなエクササイズ
としてとらえて練習をしてきたけど、ヨガの深い哲学や思想を学ぶなかで、
自分のカラダの特徴や精神状態をじっくりと観察し、心身ともにヨガを
深める事ができたように思います。


バイロンヨガセンターのファウンダー JOHN OGILVIE

日にちが経過するにつれ、英語でのインストラクションもスムーズにいえる
ようになって、リラックスして人に教える事ができるようになり、実際に、
一般人の初心者クラスを教えることもトレーニングのプログラムに組み込まれ
ていました。


生徒を待つ クラスメートの新米ヨガティーチャーたち。みんな緊張!

とっても緊張したけど、久々にアドレナリンがでまくり、刺激的な経験
をさせてもらいました。


練習はチームにわかれて。みんなとっても優しくお互いを助けあう姿勢がすばらしい

最終日には8つのポーズのインストラクションを20分以内のフローで
完成させるという厳しいアセスメントを経て、無事合格!、修了証書を頂きました!

12日間の苦楽をともにしたクラスメイトたちは、ヨガの魅力と生き方そのものに
ひかれて、集まってきた人たち。

4人一組のキャビンで、ルームメイトは、日本からやってきた東京在住
の夏ちゃん26歳(一番右)、ブリズベン出身で理学療法家、健康オタクの
ルイーズ26歳(右から2番目)、そしてメルボルン出身、金融期間で働くカーラ30歳

ヨガによって人生ががらりとかわった人、ヨガが精神安定剤のような人、
それぞれのヨガに対する想いやストーリーはどれも感動的で、誰もが悩みを抱え、
シェアリングサークルのときは、自然とセラピーセッションと化し、
一人が泣き出しては、みなもらい泣き。みなココロがきれいで、
人一倍センシティブで、お互いを助け合い、尊敬しあう優しい人たちばかりでした。

ヨガ漬けの12日間はそれだけで濃厚で、身体的にも過酷でありながら、
自分の内面や限界、可能性と向き合うというチャレンジングなことに誰しもが
感情の浮き沈みを経験し、新しい自分を発見するなかで、いままで生きてきた
人生の価値観や経験を振り返り、また、同じ悩みをもつ人たちと想いや将来の
ビジョンをシェアするという、ドラマチックな日々でした。

夕食後のキリタンでは、満点の星空のもと、静寂な中で、柔らかなハルモニアの音色、
アフリカンドラム、ギターの音に包まれてチャンティングが響き渡り、
とても幻想的で美しく、自然と涙がこぼれおちてきます。

私自身、こんな風に自分を奮い立たせて、辛いときでもあきらめずに、
一生懸命チャレンジし、ほとんどプライバシーなく他人と協調しながら
生活をともにした経験は、もしかしたら人生で初めてかもしれない。

なんだか一皮むけた感じ。

食事もバイロンヨガセンターが取り入れているサバティックダイエット
(健康、純粋の意味)で、毎日新鮮な野菜とフルーツ、ナッツ、米、豆、など
ヘルシーなレシピはバラエティに富み、カラダにすっと入り込んでくる。

たまねぎ、ガーリック、コーヒーやスイーツなどの刺激物はいっさい含まず、
内臓器官や胃も洗浄されて、体も軽いし、体調もいい。

この先、英語でヨガを教える機会がどれぐらいあるかわかりませんが、
コース終了後もしっかりと課題が与えられているので、
英語での練習に励んでいきたいと思います。

最初は辛くてきつかったヨガティーチャートレーニング。
終わってみると、自分では思ってもみなかった、新しい自分を発見できて、
ヨガだけじゃなく、自分の人生やこれからの生き方に対する知恵や考え方を
改めて教えてくれた気がしました。

1ヶ月弱のお勉強、集団生活をおえ、ようやくリラックスタイム!
しばらくはバイロンベイにおります。