『房総半島の隣の島は、ハワイだね』
と、誰かが言った。
確かに、房総半島が面する大海原、太平洋のはるか彼方先にはハワイ諸島がある。
だからなのか、東京から特急電車で1時間程度、十分通勤圏内の外房エリア(一宮・いすみ)は、リゾート気分満点!とは言いがたいが、都会の喧噪からエスケープできる、どこか非日常的な空気が漂う。自然は豊かで広大で、人々も暮らしも多様なものが多様なカタチで混在している。この土地の最大の魅力は、まだ手つかずで未開拓だからこそ、常識や枠にとらわれない、自分らしいライフスタイルがデザインできるということだ。
私を含め、房総での暮らしを夢みるフロンティアスピリットあふれた人たちは、『ああ、ここでこんな暮らしができたら、人生最高だなあ。』と、 自分なりの暮らしのビジョンとクリエイティビティをもって、房総にやってくる。
先月発売された月刊「ソトコト」12月号 「日本列島移住計画」(11月5日発売)では、森の家をはじめ、房総でユニークな暮らしをしている6組が紹介されている(そのうち、5組は知り合いで今回の取材をコーディネートさせていただきました!)。オルタナも、「グリーン企業、房総へ続々と転居」という記事でgreenzをはじめ、房総に進出している企業の紹介をしている。
ソトコトの房総特集ページでは、「マルチハビテーション=複数の居住で生活すること」をテーマに、東京から近い房総だからこそできる新しい時代の暮らしが紹介されている。登場する人たちは、房総の豊かな大自然、古きよき農村カルチャー、のんびりとしていて暖かい人々にひかれて、自分らしいライフスタイルをクリエイトしている、素敵な大人たち。
以前 greenz .jpでも紹介させて頂いたFARM CAMPUS 代表の渡邉亮平さん(紙面左)
greenz.jp 編集長鈴木菜央のご近所さん、ウェブクリエイターの千代田裕樹さん(紙面右)と、鴨川にて(ほぼ)セルフビルドで農的コミュニティLove & Rice Field 主宰する菅間貴也くん(紙面左)。最近娘がうまれたばかり!名前は、らら!
森の家を借りるきっかけになった房総R不動産を運営するバンブリック社長の佐々木真くん(紙面右)と、森の家(紙面左)。
私が出会う房総ピープルの特徴的な点は、いわゆる自給自足的な田舎暮らしではなく、しっかりとしたビジョンを持ち、ポテンシャルにあふれた未開拓の土地で新しいビジネスやコミュニティをつくり、房総ならではのライフスタイルと新しいカルチャーを発信していこうとしている。房総、キテる。
そんな房総妄想は、もはやとどまることを知らず、なんと、カフェをはじめてしまった。
きっかけは、この人。
佐々木真。
まるで、双子の弟のような、完全に私の男バージョン。言うことやること、考えること、似ている、似すぎている。あの、房総R不動産を運営する不動産会社の社長という肩書きから、なんとなく勝手に(笑!)、やり手のアラフォー、ごりごり、イケイケサーファー親父かと勝手に思い込んでいたら、なあーんだ、私より1つ年下のサーファーお兄ちゃんじゃん!ってことが判明したわけです。
今年6月に開いた森の家のオープンハウスパーティー以来、妄想話をよくするようになり、将来やりたいコミュニティビジネスも気持ち悪いぐらい、見事にシンクロ!もともと、物件を探しにきた人やお客さんとの打ち合わせスペースとして利用していたバンブリック社の1階スペースが、房総ならではのライフスタイルや新しいカルチャーを発信するリアルスペースになって、地域のコンシェルジェ的に人をつなげて、地域を盛り上げていけたら、最高に楽しくて素敵だよねえ、という、まさに私が描いていたようなコミュニティづくり、場作りの話がはじまり、ことが盛り上がり・・・。そうなったら、ことはマッハで進み、ハワイ休暇から帰国後、1ヶ月ちょっとで開店準備をして、11月27日、一宮海岸からほど近い場所にコミュニティカフェ、IRIE CAFE(アイリーカフェ)がオープンしたのです。
IRIE CAFEのロゴには、たくさんの色が使われている。これは、何色にも染まらず、いろんな色が混ざり合うことで、新しい出会いとたくさんのインスピレーション、笑顔がうまれてほしいという想いから。ここから、また、ぽこぽこ、ふわふわと、シャボン玉のようにマルが増えていく、いうストーリーをイメージしている。
IRIE CAFE の名前の由来は、 パトワ語で『人生楽しいね』『最高だね』『ゴキゲンだね』を意味するアイリーという言葉から。サーファーなら誰でもいい波に乗れたときに味わうあの高揚感や陶酔感、サーファーじゃなくても美しい自然をみて癒されたとき、友達や家族と笑い合っているとき、はっとするような学びや出会いがあったとき、地域でとれた旬のおい しいものをたべたとき・・・・、そんなシンプルだけど大切にしたい 気持ちや時間は、誰もが経験したことがあるはずだ。でも、毎日忙しかったり、自然と切り離された都会で生活していると、なかなか気がつかない。それどころか、いつしか、ほんとうに豊かな暮らしってなんだろう?自分はどんな人生が送りたいんだろう?なんてことは考えなくなってしまう。
でも、房総は違う。東京と適度な距離を保ちながら、でも未開拓の田舎だからこそ、そういうことに想いを巡らせる時間とココロの余裕ができる場所。
毎日の暮らしの中の楽しい時間(アイリーな時間)は、人それぞれ、いろんなカタチがあっていいはず。生きることは、もっと多様で、もっと豊かであっていいはず。人生は、自分の選択次第で、もっとワクワク楽しくできるはずだ。IRIE CAFE を、そんな可能性やワクワクが感じられる場所にしていきたい。
IRIE CAFEでは、物件を探しにきた人がコーヒーを飲みながら、ここでの夢の暮らしをアツく語ったり、近隣住民や地元サーフショップの人たちがふらっと立ち寄って地元の旬の情報を教えてくれたり、夜はシックなバータイムにもなれば、DJが入って店内がダンスフロアに、クラブ状態と化すことも。
27日のオープニングパーティーには、日頃お世話になっている方、近所の方、友人たちなど、100名以上が駆けつけてくれ、昼の3時から始まったBBQと大量のお酒(すべて無料!)によるお祝いは明け方3時過ぎまで続きました。誰もが暖かく、きさくで、ゆるく、当たり前だけど、東京にはない、居心地のいい感覚がある。どこに所属して、どんな仕事をして、何をやっている人か、ってことより、その人がどんな話ができて、どれだけかっこいい、リアリティのある素敵な生き方と暮らしを実践しているか、ってことのほうが、ここでは重要だったりする(と思う)。改めて、この土地とここに集う人たちがもつポテンシャルと暖かさを感じた夜となった。
この場所がコミュニティのハブとなって、地域の人やモノ、食をつなげ、新しいカルチャーや房総ならではのライフスタイルをリアルに発信していきたい。そして、私もそろそろ、きちんと、ちゃんと地に足のついた、リアルにかっこいい暮らしを実践できるような人間になりたい。きっと、そこから、新しい時代の暮らしの提案ができて、ほんとうに豊かな暮らしがはじまっていくんじゃないかと思っている。
週末のみの営業ですが(夜はバーとしてもきままにオープン)、12月の日中はお店にいるのでコーヒーを飲みに遊びにきてくださいね。
IRIE CAFE
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