ついに梅雨入り。この時期、波もいまいちだし、ぱっとしなくて憂鬱なんですが、それもちょっとの我慢。梅雨があければ一年で一番大好きな季節、夏はすぐそこ!!

でも、梅雨明けを待ち切れず、一足先に夏気分を味わいに、
3年ぶりに、今回で5回目となるバリ島(ロンボク島は2回目)に行ってきました!

それでは、早速、写真を見ながら旅の様子を紹介していきましょう。

成田から出発してまずバリ島に一泊。翌日向かったのは、バリから飛行機で20分のロンボク島。バリ島の東わずか50kmに浮かぶ東西約70km、南北約80kmの小さな島です。20年前のバリといわれるように、手つかずの自然、ノスタルジックな風景とゆったりとした時間と暮らしがロンボク島にはあり、2006年5月に訪れて以来、ぜひもう一度来てみたかった場所です。ちなみに、今年の4月からバリーロンボク間のガルーダインドネシア航空にロングボードが搭載可能となりました!というのも、3年前はまだ飛行機にロングボードは積めなかったので、現地友人に頼んで、まず前夜にバリのブノア港までロングボードを車で運び → 船で4時間かけてロンボク島の港へ → その間、私たちは飛行機でロンボク島へ → 空港に着く頃には現地サーフガイドが港からボードをピックアップして出迎えてくれる、というウルトラC技をやってのけて、ロンボク入りできたのでした!便利になったもんだ!


ロングボードが搭載可能となったガルーダ。これでロンボク島へのアクセスもぐっとよくなる

ロンボク島のマタラム空港から車で1時間半、南部のクタに近い小さな漁村、グルプック村に滞在してきました。

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島の南部には、島の人口80%を占める先住民ササック族独特の質素な高床式萱葺き住宅が点在しています。

ホテルは、ちょっとリッチに(といっても日本の同クラスホテルと比較すると安いけど)このエリアで随一のリゾートホテル、ノボテル・ロンボクに滞在しました。周囲の自然環境に溶け込むようにデザインされた瓦葺のコテージがかわいいでしょ。




でも、ホテルから一歩外にでれば、こんなのどかな風景が。



そして、3年ぶりの再会となったサムスル(左、37歳)とその義弟ノル(右、21歳)。2006年に訪れた時にお世話になったローカルのサーフガイドです。私たちみたいな外国人サーファーを商売相手にしているサーフガイド(滞在中の全ての送迎:空港ーホテルーサーフポイント、ポイントまでの船などをお世話し、ご飯も大体一緒に食べて、サーフィンも一緒にしてくれます)は、実はけっこういて、みんな日本語でのコミュニケーションもOKなのですが、日本人相手に金儲けを考えているちょっとずる賢い奴もいたりするなか、この二人は、とにかくやさしくて、村のみんなが慕っているほどです。しかも、生粋のグルプックローカルで、船着き場の目の前が家があったりして、サーフボードをおきっぱでも安全・安心・全く問題なし。ロンボク島に行かれる方には、一押しのガイドですよ。

彼らがホームポイントとする、グルプックは、ホテルから車で10分。

↓ は、2006年5月撮影時。煉瓦づくりの家ができたりしてちょっと変わっていましたが、いまだ未開の土地って感じ。

グルプック村の子どもたちも私のことを覚えていてくれました。言葉は通じないんだけど、カメラを出すとみんな無邪気な笑顔で寄ってきてくれます。ここは、子どもの数が本当に多くて、いつも子どもたちが元気に走り回っている村です。村の子どもはみんなの子ども、みたいな意識があって、村全体が大きな家族みたい。大きい子どもが小さい子どもの面倒を自然と見るようになっていて、コミュニティで子育てしている感じがとってもあったかくて、素敵です。将来私にも子どもができて、もしまたロンボクにくることがあれば、数時間ここに子どもを預けて波乗りにいけそう、と思っているほどです。


ノルは21歳ながら昨年結婚し、写っている赤ちゃんは5ヶ月の娘デスティー

ちなみに、額についている白いものは、泥遊びで汚れたとかではなく(笑)熱を下げる天然の粉だとか。

で、一日のスケジュールはというと、基本、毎朝6時~グルプック湾のインサイドで1ラウンドサーフィン。ホテル戻ってブランチして、午後に2ラウンド目というスケジュールです。しかも1回入るとたいてい3時間以上入ります。もう、完全に合宿です。


日の出サーフィン




グルプック湾には主に、アウトサイド、カメポイント、インサイドの3つのポイントがあり、どこも船で数分。船頭のJoel(奥)が毎回船を操縦してポイントまで連れて行ってくれて、海に入っている間、待機してくれています。Joelはサーフィンは勉強中、Noru(手前)とは数回一緒にサーフィンしましたが、13歳からサーフィンしているだけあって、超上手!

初日は頭サイズの超ファンウェーブで、ロンボク仕様に2年前にカスタムオーダーした板もよくよくよく走り、最高でした。




2日目




3日目

しかし、次第にサイズダウン・・・
後半はセットで腹ぐらい。まあ贅沢は言っちゃあいけませんけどね。




4日目

こんな恵まれた環境で育ったローカルキッズたちは、サーフィンも上手です。

こちらは、ロンボク島初のプロサーファー、新庄(野球の新庄選手に似ていることから)ことジェリー(25歳)の下から2番目の弟(6人兄弟)のサーフィンショット。アンダー14歳の大会で優勝するほどの腕前。もちろん将来の夢は、プロサーファー。小波でも軽々とエアーを決めていました。さすが!




ちなみに、ジェリーは、現在日本のウェットスーツメーカーに勤める日本人女性と婚約していて、来年の結婚を機に千葉に移住することが決まっているので、日本での再会の約束をかわしました。千葉で一緒にサーフィンできるといいなー。


3ヶ月日本に住んだこともあるジェリー。今は平仮名を勉強中とか

3年前は、ちょうどスウェルが届き始めて、このカメポイント(亀に似ているから)でも頭以上の波がブレイクしていて、かなり楽しんだ記憶があるのですが、今回はサーフィンできるほど波はあがらなかった。リベンジしたかったのに、残念!!

ロンボク島最終日はついにグルプックは波が小さくなって、車で1時間半デコボコのオフロードを走ったところにある、マウイポイントまで行ってきました。かなりの悪路なので、雨季は通行できません。行くなら心して。







道中は、海沿いの風景とまた趣が異なります。乾燥した粘土質の土壌で栽培されているのは、タバコ。

湾になっているマウイ。うねりが入ったとき、よさそうな地形ですね。




偶然、日本人プロサーファーの撮影をしていたバリ島在住の日本人水中カメラマKen Gさんに、、貴重なことに、何枚か撮っていただきました!わお!




そして、旅のもうひとつの楽しみは、波乗りのあとの空腹時に食べるごはん。
おいしいところはいっぱいあるのですが、おススメなのが、こんなド田舎にもかかわらず、センスの良いオーガニック・ベジタリアンカフェ。

なーんもない山の上にぽつんとある Ashtari Cafe. 10年ぐらい前にオーストラリア人の女性がオープンして以来、オージーをはじめ観光客の人気スポットになっています。インテリアはモロッコ調で、昼寝にぴったりのラグがひかれ、心地いい風が吹き抜けます。見晴らしもこの通り!自家製パンとハーブのフォカッチャや自然な甘味のケーキが絶品です!







こんなのんびりとした時間が流れているロンボク島は、いつ来ても変わらなそう、と思っていたら、昨今、ロンボク中部で新国際空港の建設の認可がおり、2年後?ぐらいのオープンを目指して建設工事が始まっていました。新空港がオープンすれば、クタエリアへのアクセスもぐっとよくなり、そうなれば、きっと観光地化は免れず、いずれバリのようになってしまうかと思うと、ちょっと複雑な気分です。




現に、グルプック村のような小さな漁村でも(将来的な開発を見越してか)土地が100倍近く値上がりしているところもあるとか。それに、すでに近代化、西洋化の波は訪れ、便利で使い捨てのモノが好まれるようになり、よくよく見ると、道はゴミだらけ。悲しいかな、特にお菓子やペットボトルなどのプラスチック製品が目につきます。安全な水が手に入ることになったのはいいことかもしれないけど、ペットボトルを回収してリサイクル、なんて技術があるわけもありません。




良くも悪くも観光地化が進んでいないロンボク島に暮らす人々の生活は決して豊かとはいえない。グルプックのようなサーフポイントがある村では、外国人サーファーがお金を落としていってくれるから、萱葺きの家でも庭には巨大なパラボナアンテナがあったり、人々は携帯電話を所有していたりして、恵まれているほうかもしれない。でも、その他多くの村の場合、いまだに村人は、強風でも吹いたらあっという間に吹き飛ばされちゃいそうなぐらい簡易な造りの萱葺き平屋に住み、夜は電球一つを灯して過ごし、食事は質素、車はごく一部の人が所有しているだけ。移動手段は一家に1台の原付(大人2人の間に子ども2人がサンドイッチされて乗っている光景は日常的!)というスタイル。




でも、人々が慌ただしく生きる都会のバリと違って、みんな笑顔が素敵だ。特に、子どもたちはどの子も人懐っこくて、無邪気な笑顔で手を振ってくれます。なぜか下半身素っ裸の子どもが多く(女性は肌を露出しないほうが良しとされている風習なのに、女の子はノーパンが多い。なんでだろう??笑)、そこらへんでおしっこもしちゃうぐらい。衛生的に決して清潔な居住環境とはいえないけど、日本のようにアトピーや喘息の子がいるわけでもなく、むしろみんなすくすくと育って、元気いっぱい。ちゃんと小・中・高もあって、勉強もみんな一生懸命している。たぶん、ここには、ここなりの生態系が循環しているからなのか、外界から異物が侵入してこない限り、人々はいまの暮らしと健康を維持できるんじゃないかと思っています。




そんな彼らにとって近代化は物質的に豊かになれることを意味していて歓迎すべきことかもしれない。本当の豊かさや幸せの定義、とか、こっちの世界とあっちの世界、どっちが幸せかなんて私がわかったように判断すべきことでもないけど、新空港ができても、どうか伝統的な暮らし、文化、価値観を大切にし、自然と共存するような持続可能な開発と発展がなされますように。

地元のおばあちゃんが売っているのは、インスタントカップラーメン。便利でファストな食文化が浸透つつあります。

ロンボク島に別れを惜しみつつ、残り3泊はバリに滞在。

しかし、肝心の波は、次第にサイズダウン。
それでも朝イチは、た~まのセットで肩サイズ、エアポートレフトでサーフ可能でしたが、午後は、ノーサーフの日が2日ほど。
バリに通い始めてこんなに波がないのは初めて。
まあ、これも自然現象なので仕方ないのだけど・・・

ちなみに、バリは世界中からサーファーが集まっていて
海に浮かびながら世間話をしていると、大体みんな1か月とか滞在していますね。
1か月とまではいわないけど、やっぱり最低2週間ぐらいはいて、気長にスウェルを待ちたいものです。




波のない午後は、サーファーの聖地、ウルワツまでチェックしに行きましたが、なんとここもうねりがなかったです・・・。ランチして、おばちゃんのごり押しセールストークに負けてマッサージ(30分200円)をして帰りました。

ロングボードを担いでこの階段は死ぬほどきつい。

3年前に1回だけウルワツに入りましたが、その時は、セットでダブル。左奥は、ダブルオーバーのグリグリチューブでした!びくびくしながらインサイドでかろうじて1本メイクしましたが、その時のスリルとなんともいえない高揚感は、いまでも鮮明に覚えています。ウルワツはボトムがギザギザのリーフなので潮がひくと超超危険なポイントなのですが、幸い怪我もせず、無事生きて帰ってこれました。ほっ。







波のない日は、ホテルのプールサイドでまったり。


最近リノベして新しくなったHoliday Inn Baruna Bali





バリのビンタンビールは、ビール通の友達に言わせると一番うまい!らしいが、私はお酒が飲めないのでジュース派

ちょっと物足りないけど、たまにのんびりするのもいいですね。




波にはあまり恵まれなかった今回のトリップ。
クタクタになるまで波乗り三昧、とまではいかず、不完全燃焼です。

でも、ジメジメとした日本を脱出して、夏を先取りできただけでも満足です。

今度は、ロンボク島に長く滞在しようと思っています。
また来ます!




次回は、みんなと別れ、波乗りの合間に単独で訪れた、グリーンスクールについてレポートします。グリーンで面白い学校、ぐらいにしか思っていなかったのですが、想像をはるかに超えたスケールとビジョンに感動!お楽しみに!

その他の旅の写真は、コチラからもどうぞ。